菰野町のシンボルといえば、町観光協会の公式キャラクター「こもしか」でも知られるニホンカモシカだ。しかし、「実は、御在所岳周辺に生息するニホンカモシカが、将来この地域にいなくなってしまう可能性がある」と、NPO法人三重県自然環境保全センター(桑名市)の山岡亮さん(30)は危機感を募らせる。【ニホンカモシカのはく製の前で、保護活動について語る山岡さん=菰野町千草の県民の森で】

生息域追われ いなくなる?

  国特別天然記念物のニホンカモシカは、三重県の県民鳥獣、菰野町の町獣にも指定されている。1960年には御在所岳山上に世界唯一のカモシカ専門動物園「日本カモシカセンター」が開園し、国際シンポジウムも開かれたが、来場者の減少などで2006年に閉園した。
 その理念を引き継いだ同法人では14、15年の2年間、センサーカメラを設置するなどして独自に生息状況を調査したところ、ニホンジカが増加した結果、カモシカが生息域を追われていることが分かった。この地域のカモシカの実態を知ってもらうため、昔の貴重な資料や飼育日誌を保管する「カモシカ資料館」を湯の山温泉内に開設するなど、普及啓発活動に取り組んでいる。

実態調査復活へ HPで寄付募る

 「運が良ければ、カモシカに会えますよ」と山岡さん。昼間はロープウェーから崖で草を食べる姿が、早朝や夕方は温泉街でも見られるといい、「人懐こく、じっと立ち止まって見つめる姿が愛らしい」そうだ。
 御在所岳での実態調査は現在、資金と人手不足のため中断している。同法人がホームページで寄付を募っている他、「湯の山温泉女将の会きらら」の開発商品を購入すると、収益の一部が寄付される。山岡さんは「カモシカを保護し後世につなげていくため、調査を復活させたい」と協力を呼び掛けている。
 問い合わせは同法人菰野事務所TEL059・325・6386へ。