ユネスコ無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」の一つで、四日市市富田地区に伝わる「鳥出神社の鯨船行事」。少子高齢化による担い手不足を打開しようと、行事を支える「サポーター」を育てる講座や見学・体験ツアーを開き、伝統の継承を進めている。
 江戸中期に始まったとされる同地区の鯨船行事は、鯨を豊穣や大漁の象徴と見立て、豪華な装飾を施した船形の山車と張り子の鯨を用いて捕鯨の様子を再現する神事。毎年8月14、15日に開催され、初日は町練り、2日目は同神社で本練りがある。【昨年の鯨船行事の様子=四日市市富田で】

伝統守る4組に加わる

 北島組、中島組、南島組、古川町という4つの組が欠けることなく伝統を守ってきたが、昨今は行事に参加できる人が減り、人手が足りていない組もある。無形文化遺産への登録をきっかけに、昨年から見学・体験ツアーや講座を始め、講座に参加した市民6人と四日市大学の学生20人が行事に加わり、祭りを盛り上げた。
 今年も7月に地区市民センターで講座が開かれ、20人ほどの参加者が、行事と捕鯨との関係や地区の歴史・文化について学んだ。小学校の授業で鯨船について学び、興味を持ったという児童も参加し、「夏休みの自由研究のテーマにしたい」と話していた。
 富田鯨船保存会連合会の加藤正彦副会長(63)は「祭りを継続するためには若い力が必要。勇壮な鯨と船との駆け引きを、ぜひ見に来てほしい」と語った。