1912年創業の太田洋服店(四日市市西新地)で20歳のころから働き始め、紳士服の仕立て・直しなどを手掛ける職人として68年になる。

    働き出したころ、「技術は習うより盗め」と、無我夢中で技術の習得に努め、実際に生地を触れるようになるまでは新聞紙で練習した。県内の洋服職人が腕を競う大会で3位になったこともあり、常に知識・技術の向上を思い、専門誌などを見て勉強してきた。

 現在は週2日の出勤ながらも、あらゆる直しの依頼に対応する。「直しを依頼してくれるということは、持ち主がそれだけ洋服を大事にし、愛着があるということ」。内容は多岐にわたるが、積み重ねてきた技術・経験で奇麗に仕上げる。イメージ通りになると「とてもうれしい」という。

 仕事場へは、自転車で片道20分かけて通う。以前はバス通勤だったが、「健康のため。風邪も引かない」。現在も現役でいられる理由を「お客さまに満足頂ける、そのことを一生懸命に考えている」と、50年間愛用するはさみを手に語った。

 趣味は盆栽、グラウンドゴルフ。以前は焼き物集めに熱中したこともあった。俳句もたしなみ、「いろんなことを楽しんでいます」。