赤ちゃんのように手をかける タケノコ生産者・清水さん

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 収穫の最盛期を迎え、店頭などにも多く並ぶタケノコ。四日市市の川島地区で収穫されるものは水分を多く含む粘土質の土壌で育ち、柔らかいのが特徴。孟宗竹の生産者の清水清治さん(85)と恭子さん(85)と娘夫婦の行孝さん(67)由美さん(58)に話を聞いた。
 清水さんは70年ほど前から会社勤めをしながら親の農業を手伝ってきた。タケノコは大きくなるとえぐみが出て硬くなるので、芽を出す前に土の盛り上がりや割れ目を手掛かりに探す。地中で固い根節でつながっており、太枝切りばさみなどで根節を切り、トンガと呼ぶクワで傷つけないよう注意しながら掘り起こす。芽を出す前のタケノコは日光に当たっていないため穂先が黄色になる。買う時もそれが鮮度の目安になるそうだ。
 斜面になっている場所での作業は滑りやすく、重いトンガで掘り起こすのは高齢の清水さんにとって負担が大きいが、家族の協力で続けてきた。収穫後に「お礼の肥料」を、秋から冬にかけて「芽出しの肥料」を散布。竹の間伐や草刈りの他、台風などで竹が折れるとその片付けをするなど季節を通して竹林の管理は気を抜けない。イノシシなど獣害にも悩まされ、侵入を防ぐため柵を作り被害を防ぐ。
 由美さんは「とにかく鮮度が大事。掘った時に割れたタケノコは生でも食べられる。買ったらすぐにあく抜きすると、えぐみが少なく美味しく食べられる」と教えくれた。清水さんは「タケノコは赤ちゃんと同じ。手をかけて大切に育てている」と話していた。

タケノコのあく抜き方法
①タケノコをよく洗い、根元の固い部分(ついていない場合もある)と、穂先5~6センチを切り落とし、縦に2~3センチ深さの切れ目を入れる。
②皮がついたまま鍋に入れ、タケノコが全部被るくらいまで米のとぎ汁を入れる。
③鍋を火にかけふたをして、吹きこぼれないよう注意しながら、弱火で40分~1時間ゆでる。

*タケノコを使ったレシピ*

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