三重県菰野町のパラミタミュージアムで5月31日、「第19回パラミタ陶芸大賞展」と「加藤子華 書の世界~書の美を求めて~」の同時開催による展示が始まった。来場者の投票で大賞受賞者を決める方式が定着した陶芸大賞展は、今回は6人の新進気鋭の陶芸家を招いており、四日市出身の加藤さんはパラミタミュージアムでの初の個展となるという。
展示はいずれも7月21日までだが、陶芸大賞展は来場者の投票期間を7月3日までとしており、その結果による大賞が7月13日に発表、受賞者には賞金100万円が贈呈される。
陶芸大賞展にはアイザワ リエさん(茨城県)、今井完眞さん(京都府)、後藤秀樹さん(岐阜県)、小林佐和子さん(神奈川県)、奈良祐希さん(石川県)、山浦陽介さん(岐阜県)の6人が計67点を出品した。展示会場にほぼ5メートル四方のスペースが与えられ、その中に作品を並べ、個々の展示空間をつくってもらう方式だという。

作家たちは、全国の美術館、画廊、美術評論家から「時代を代表する陶芸家」として推薦された上位6人で、それぞれが陶芸の新しい表現を生み出している。命を吹き込まれたかのような動物や魚があれば、陶器の丸みや尖った形状を見せる作品、かわいい置き物のような動物など、個性を競っている。
加藤子華さんは日展会員の書家。米寿を記念した作品展でもあり、57点を展示している。四日市市生まれで、父で書家の加藤光城さんから楷書、行書、草書、仮名を学び、1956年の日展初入選以来、入選、特選などを重ね、審査員の重責も果たしている。

初日は開会式があり、陶芸大賞展の6人と加藤さんが出席。陶芸作家のみなさんは作品に込めた思いを語った。加藤さんは、パラミタミュージアムを建てた、かつての名誉館長小嶋千鶴子さんとの交流があり、作品展を開くにあたっての思い出に触れ、「白と黒だけの書の世界は難しいと思われがちですが、書の魅力を感じ取ってもらえる展示になれば」とあいさつした。

会期中は無休で、入館料は一般1000円(4枚セット券3000円)、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。会場は三重県菰野町大羽根園松ケ枝町。