不登校など学校に行きづらい子やその保護者が自分らしい時間を過ごせるようにと、三重県四日市市にフリースクール・居場所「グッドリダンス」が6月11日に開設する。運営するのは中学生2人の現役のお母さんで、自分の娘の不登校の経験などを通して、自らもできることをしたいと考えたという。
四日市市富田栄町の通りから少し入った2DKの部屋を借りて開設する。近鉄富田駅から歩ける距離。6畳の和室と洋室があり、休んだり本を読んだりして過ごしてもらう。台所もあり、保護者と一緒に台所で調理することもできる。使い方は自由に考えてほしいという。
〇自らや学校での体験から開設を決心
開設した生川あかねさんは、写真家、ICT支援員、塾の講師、障害者支援活動、子ども食堂の手伝いなど、さまざまなことをしてきた。中学3年生になった長女は、小学校高学年の時に徐々に学校に行けなくなり、中学生になるとほぼ不登校に。悩んだ末、名古屋のフリースクールに通うことを選び、その結果、今はフリースクールと所属の中学に週数日ずつ登校している。
生川さんは昨年5月から10カ月ほど、北勢地域の学校でICT支援員として教員の事務の助けをしてきた。その時見たのは、想像以上に不登校の子どもが増えていて、教職員や行政だけでは解決できほどの大きな社会の課題になっている現実の姿だった。「自分も何か力になれることをしたい」。今年2月ごろ、居場所の開設を決心した。長男も夫もこれまでの生川さんの活動を知っているからか、心配など口にせず、見守ってくれているという。
〇「グッドリダンス」の名は人生の応援歌から
「グッドリダンス」は、「厄介払い」の意味で使われることもある英語だが、大きな責任や課題が去って解放された状況を指す言葉でもある。生川さんが好きな米国のロックバンド、グリーン・デイにこのタイトルの曲があり、卒業ソングにもなっているといい、「今は予想できなくても、最後にはこれが正解になる」と、人生を応援する歌詞が耳に残り、居場所の命名にした。
「グッドリダンス」は月ごとの利用契約ができる。水、木、金の午後1時~午後8時、いつでも出入りできる。子どもだけ、親子で、疲れた時の保護者だけでの利用などが可能。1家族15000円。時間利用も可能で、水、木、金曜日の午後1時~午後8時にいつでも利用できる。1人につき最初の30分が1500円、その後、30分ごとに500円。1日の1人の最大利用料は3000円。学校に行くづらくなる月曜日は午前8時半~午後1時、無料で誰でもいられるよう開放するという。
問い合わせは070・9066・7014やメールgoodriddance.yokkaichi@gmail.comへ。ホームページやインスタグラムなども開設している。