四日市ドーム改修の考え方を再説明、市議からなお詳細データ求める声

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【四日市ドーム改修の考え方を説明する市側幹部=四日市市諏訪町】

 四日市ドームを改修して維持する方針の三重県四日市市は6月11日、市議会全員協議会で改修方法などを再説明した。5月の説明よりも詳細な資料を提出したが、市議から裏付けとなる専門的な調査データを提出するよう求められるなど、すんなりとは納得を得られなかった。市は改修に向けて今議会に補正予算案を提出したい意向だが、議会側は説明を聞き置いたとの状態で、今後、議会としての対応を決めることになる。

 市は、四日市ドームのアリーナの平均稼働率が9割近い資料などを示し、市民などからの需要が大きく、ほかに代替できる施設がないため、改修して維持したいとあらためて方針を説明した。

 人工芝の傷み具合、まく屋根の水たまり状況、アリーナ内部の鉄骨の錆の発生状況なども現場写真を添えて説明し、これに対する防錆や塗装の方法、錆の原因になる結露を防止する送風機の設置方針など、改修の内容についても説明した。音響関係の改善なども実施するという。

 2027年秋以降、約2年をかけて利用を休んで改修する計画で、今回の改修には概算で56億6000万円をかける。その20年後には、もう一度、設備の改修が必要になるものがあるが、鉄骨など建築部分には改修は及ばないといい、これにより、2067年度まで維持できるとした。

 市議からは、「鉄骨や鉄筋の傷みの内容が詳細でないため、なぜ、改修費がこの金額になるのか根拠が分からない。実際に改修を始めたら、次々に錆が見つかって、費用がかさむことにはならないのか」などの質問もあった。

 質疑は2時間以上続いたが、市議からは「補正予算案を追加上程して委員会で審議すればよい」との声や「このまま追加上程したら炎上する」などといった声があり、全員協議会では結論を出さなかった。

 一方、市は、説明の中で、改修後の四日市ドームでは、収益性を高めるために、産業展示イベント、コンサートなど、スポーツ以外の利用も促進したい考えや、今回の改修から40年後までのランニングコストについて、合計147億400余万円の見込み額なども示して説明した。

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