三重県四日市市の市立羽津北小学校で6月18日、ふるさとの自然を大人たちが伝える特別授業があった。羽津地区の山や川の自然を調べている大人たちが講師を務め、子どもたちが大人になって故郷を離れることがあっても、ふるさとがどんなところなのか、しっかり知っておいてほしいと企画した。
羽津地区まちづくり推進協議会の大人たちが、3年ほどの調査をし、今年、写真をふんだんに載せ、図鑑ふうの羽津の生きもの紹介「はづふれあいさんぽ~いきものへん~」をつくった。予算の関係で500部の限られた部数のため、効果的な使い方を考えていたところ、同小学校では3年生の探究授業「校区探検」があり、教材にしてもらおうと話がまとまった。「ふれあいさんぽ」もこの日、子どもたちへのプレゼントとして配られた。

3年生3クラスの約120人が集まった授業では、「垂坂公園・羽津山緑地」を維持管理するNPO法人「緑の会羽津」顧問の田中逸夫さんが、80歳代とは思えない広範囲の活動の中から写真に収めた生き物を紹介。小学校の近くを流れる米洗川(よないがわ)の魚やカメ、垂坂山での鳥などについて説明した。大きなウナギを丸のみにしようとする鵜や、フクロウの赤ちゃんの写真に、子どもたちは興味深々な様子だ。
「ふれあいさんぽ」制作の中心になった同まちづくり推進協議会の内田寛会長は、写真を撮ってくれた地域の協力などにも触れ、羽津地区をもっと深く広く調べて、「いつかは本物の図鑑をつくりたいと思っている」と、自らの夢を子どもたちに語った。

子どもたちは配られた「ふれあいさんぽ」をさっそく広げて、どんな生きものがいるのか、熱心に見ていた。「米洗川はいつからあるのですか」など、講師に質問し、古い歴史の話なども教えてもらっていた。
西川明里校長が、「ふれあいさんぽ」を通して、たくさんの地域の大人が応援してくれていることを子どもたちに伝えた。推進協議会副会長の宮本正則さんが、7月5日に米洗川で「いきもの探し」をすることを紹介し、みんなで協力してほしいと呼びかけた。これまで見逃したかも知れない生き物をさらに写真に収めようと考えている。