三重県の四日市市議会は6月18日、常任委員会(予算は分科会)での審議が始まった。都市・環境常任委員会では「PFAS曝露による健康被害のリスクから市民を守るため、早急に市全域のPFAS汚染の実態を把握して汚染対策を進めるよう求めることについて」の請願が審議されたが、委員会としては不採択との判断をした。
PFASの請願は、前年度は市の調査結果待ちなどの理由で実質的な審議をしないまま審査期限切れとなっており、四日市公災害市民ネットが請願を再提出した。今回は審査期限を延長することはしなかった。
請願は①水道水の原水、地下水、河川、海域、日永浄化センターの排水など市全域の水環境の汚染実態の把握②高濃度の汚染が検出された河川、地下水の周辺地域を中心に土壌汚染を調査③水道水含め水環境の濃度の軽減対策に取り組む④市役所内に市民に向けた総合相談窓口を設ける、を早急に行うことを求める内容になっている。
委員会で交わされた意見では 国の基準値の検討状況を注視すべきで、市民向けの窓口を開くとなると、課題の性格上、いろんな部局をまたいだ形になるので、この委員会だけでは対応できないとし、採択に反対するものがあった。
一方で、四日市公害を経験した四日市市だからこそ、率先して分析機器を入れるなど、対応を急ぐべきだとする採択賛成の意見もあった。採決に賛成したのは3人で、賛成少数で不採択となった。
総務常任委員会では、三重大学の北勢サテライトが、産業振興の拠点にする計画がある「じばさん」に移転したいとの希望があることが市側から説明された。委員からは、「三重大学との関係では、これまでにどんな成果があったのか、それを説明できないようでは、移転のための予算を求めるのはいかがか」との指摘もあった。
新図書館に関しては、現在、用地測量が終わり、境界確定などを進めている段階で、滞在型の図書館機能、多世代交流機能、本を活用した発表やワークショップの場、情報発信、コミュニケーション、憩いのカフェスペースなどを備えていく考えが説明され、併設で200台程度の駐車場を考えているとした。
基本設計を進めるが、実施設計と工事を一元化する設計施工一括発注方式を採用し、コスト縮減や工期短縮を図るという。これらの流れにより、2029(令和11)年度の供用開始を考えているという。
図書館に関しては、新図書館用地として買収できる土地と借地の割合がどうなるのかとの質問が委員からあり、市側は全体3500㎡に対し1900㎡程度が借地と答えた。借地の方が多いため、「結局、借地でしたではなく、買収する努力を続けてほしい」との意見などがあった。