子どもの「土台」はピアノで作る。AI時代にこそ必要な「習い事」の本質

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【子どもの「土台」はピアノで作る。AI時代にこそ必要な「習い事」の本質】

子育てをしていると、ふと頭をよぎる「習い事、どうしよう?」という悩み。 特にここ四日市は、教育に熱心な家庭が多い地域だという。周りの友達が何かを始めると、少し焦りを感じることもあるかもしれない。

数ある習い事の中で、なぜ昔も今も「ピアノ」が選ばれ続けるのか。 カワイ音楽教室三重事務所の村松碧輝さんにその理由を尋ねると、単なる音楽教育にとどまらない、子どもの成長に欠かせない「根っこ」の話が見えてきた。

ピアノの魅力を話すカワイ音楽教室の村松さん
ピアノの魅力を話すカワイ音楽教室の村松さん

すべての習い事に通じる「基礎体力」

「ピアノは、習い事の王道であり、すべての土台になるものです」 エリア長はそう語る。 確かに、ピアノを習う子供は多い。だが、その効果は「曲が弾けるようになる」だけではないらしい。

目で楽譜を追い、脳で瞬時に判断し、指先を動かし、その音を耳で聴く。 この一連の動作は、脳への絶好のトレーニングになる。 ここで養われる「集中力」や「持続力」は、将来、水泳や英語、あるいは受験勉強など、他の何かに挑戦する際の強力な武器になるというのだ。 つまり、ピアノは子どもの可能性を広げるための「基礎体力」作りと言えるだろう。

「できない」を「できた」に変える経験

親として心配なのは、「練習を嫌がらないか」「すぐに飽きてしまわないか」ということ。
しかし、村松さんは 「うまくいかない悔しさも、乗り越えた喜びも、すべてが心の栄養になる」と話す。

こんなエピソードがあったそう。 発表会を前に「絶対に出たくない」と泣いてしまった子がいた。人前が苦手だったのだ。 しかし無理強いせず、「先生と一緒ならどう?」と寄り添い、背中を押した。 舞台に立ち、演奏を終えたその子の顔は、自信に満ちていたという。 「楽しかった! 来年もまた出たい!」

個性の違う一人ひとりに合わせ、その子が自ら一歩を踏み出すのを待つ。 そうして得られた成功体験は、何物にも代えがたい自信となるはずだ。

AI時代にこそ育てたい「感性」

これからはAIが進化し、何でも便利になる世の中になる。 だからこそ、自分の指先で音色を変える繊細な感性や、小さな壁を乗り越える「勇気」は、デジタルの画面越しでは学べない財産になる。 鍵盤を叩く強さ一つ、息遣い一つで音が変わる。その「生身の表現」こそが、豊かな人間力を育む。

実は今、教室には子どもだけでなく、80代の生徒も通っているそうだ。 「昔憧れていた」「孫と一緒に弾きたい」。動機は人それぞれだが、ピアノが生涯の友になれることの証といえる。

「まずはやってみて、それから見極めればいい」。村松さんの言葉はシンプル。
もし習い事選びで迷っているなら、選択肢の一つとして「ピアノ」を考えてみてはどうだろうか。 その一音が、子どもの広い世界への扉を開く鍵になるかもしれない。

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