芸術活動へと帆を上げる初の個展、Sachiho.さんが四日市のプラトンホテルで

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【初の個展を開いたSachiho.さん。右はつい最近まで描いていた最新作のひとつ=四日市市西新地】

 三重県桑名市生まれのグラフィックデザイナー・アーティストSachiho.さん(41)が4月13日、四日市市西新地のプラトンホテル四日市5階ギャラリーで初の個展を開いた。昨年5月には世界的なポスター展で入選もし、それまでの商業デザインの制作だけでなく、芸術活動としての発表にも力を入れる、その第一歩にしようと企画した。当面の目標はパリでの個展開催という。

 個展は4月19日までで、作品の原画となるアクリル絵の具での作品、印刷されたポスター、絵本、塗り絵、コップなど約30種。自分を表現することに力を入れ始めた2018年ごろの作品から、つい最近描き終えた作品までを展示している。

会場に入って最初の展示室

世界5大ポスター展の展覧会で入選

 会場に入った最初の展示室の奥に、2025年秋にフィンランドのラハティで開催された「ラハティ国際ポスタートリエンナーレ2025第50回記念」に入選した「My universe」が展示されている。青地に白いややふぞろいな円と小さな赤い点がある。先立ってヘルシンキで開かれた「FREEDOM OF EXPRESSION(表現の自由展)」の選抜作品にも選ばれている。この展覧会では過去に横尾忠則さんがグランプリを受賞しており、歴史と格式のある世界5大ポスター展のひとつとされているという。

 その横には、同じ年にトルコで開かれた「第6回BOLU INTERNATIONAL POSTER DESIGN COMPETITION」に入選した「VORTEX」が展示されている。こちらは、テーマが様々な依存症についてだったそうで、Sachiho.さんはその解放へのルートを渦巻きで表現した。画面の青は深い愛と赦しを表しているという。

「My universe」(右、画面のガラスに映り込みがあります)と「Vortex」

 作品は抽象画がほとんどだが、とくに奥の広い展示室の原画の多くは人の手のぬくもりや作者の思いを感じさせている。いずれも、共感から浮かんでくるインスピレーションが着想になっているそうだ。つい最近まで描いていたという作品は広い展示室に入ってすぐ右側にあり、この中では珍しく、多色で描かれた作品になっている。

奥の展示室は原画が並ぶ

母としての体験が芸術活動へと導く

 Sachiho.の名は、本名の幸帆の読みから。3歳から絵画教室に通い、名古屋学芸大学メディア造形学部デザイン学科を卒業した。デザイン事務所を経て、2011年に独立し、広告・宣伝のデザインを制作している。秦建日子さんが監督した桑名市を舞台にした2016年公開の映画「クハナ!」のキービジュアルも担当したそうだ。現在は菰野町在住。

 独立したあと、3人の子に恵まれ、母としてその子たちと暮らす中で、毎日を忙しく過ごす商業デザインだけがすべてではなく、自らを表現する芸術活動にも力を入れたいと思うようになったという。今回、初の個展を開くなら、お世話になってきた地元の人たちへのお礼を兼ねて地元からと考え、三重県内での会場を選んだという。

 個展のタイトルは「First Solo Exhibition Beginning」。午前9時~午後9時。最終日は午後4時まで。入場無料。

展示作品の一部
展示作品の一部。

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