市立四日市病院の救急搬送受け入れが一時停止、四日市市議会で一般質問

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【本会議での一般質問が始まった四日市市議会】

 三重県の四日市市議会は12月4日、一般質問が始まり、市民目線の会の田中徹さん、小林博次さん、水谷一未さん、無会派(日本共産党)の太田紀子さん、村上暁さん、公明党の樋口博己さんが質問に立った。田中さんは9月の豪雨の影響で、市立四日市病院の救急搬送受け入れが約10時間にわたって停止となったことを「不適切」と指摘、改善策などの説明を求めた。

あふれた雨水が救命救急センター棟へ

 病院側の答弁では、9月12日午後9時50分ごろ、病院の雨どいの排水能力を超える豪雨になり、屋根やバルコニーからあふれた雨水が救命救急センター棟の入り口の天井裏に入る状況になった。夜間で原因の特定が難しく、医療器具への影響も想定された。救急搬送は県立総合医療センター、羽津医療センター、菰野厚生病院との4病院で対応しており、当日は市立病院の当番ではなかったため、消防本部や関係機関に連絡をとったうえで、午後10時25分に受け入れを停止したという。翌13日午前8時15分、安全を確認して受け入れを再開したという。

 田中さんは「市立病院の建て替えの必要性があらためて分かったが、それにしても、大規模災害に対応するはずの災害拠点病院が雨漏りで機能停止では不適切。看過できない問題だ」と検証や改善策を求めた。

 病院側は、「あってはならないことで、心配をおかけして申し訳ない」と陳謝したうえで、「病院が建設された当時には想定していない雨量によるものだが、今後も起こりうることと考えて施設の改修などを進めたい」と答弁した。

地下駐車場の取得、価格面でかい離ある状態

 小林さんは、豪雨で浸水した地下駐車場「くすの木パーキング」の早期再開のため、市としてどう考えているのかを確認。森智広市長は「市にとっても至上命題で、先日の議員説明会で市が駐車場を取得して復旧するとの考えを表明した。その前段階として、駐車場施設を取得するための価格交渉を進めているが、今はまだ、その価格にかい離がある。入り口で少し時間を要している」などと説明した。

学校給食無償化、国の動きを見てから

 水谷さんは学校給食無償化について、高市新政権も小学校の給食無償化を打ち出したとして、踏み切る意思について市に回答を求めた。市側は、国の具体的な制度設計が示されていない中で、補助の内容や金額なども分からないままなのは変わっていないとして、引き続き、国の動向を見て適切な方向を考えると回答した。

 この問題については村上さんも質問し、市の財政力指数や経常収支比率などを示し、市の財政状況から市独自に無償化に踏み切ることは可能だと市長に回答を迫った。森市長は「国の詳細な制度が示されておらず、いくら負担しないといけないのかを見ないと、責任ある運営はできない。近いうちに示されると思うので、具体的に進め方を考えたい」と回答した。

 太田さんは死因が高位にある高齢者の肺炎を予防するための施策やワクチン接種費用の支援などを取り上げた。樋口さんは、公共施設の女子トイレの数を確保することや、市の基金の運用方法などについて質問した。

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