ダンスで使えるスピーカー全小中学校に、上田新工業が四日市市に1000万円を寄贈

, ,
【子どもたちのダンスについて語る上田重幸社長(正面右)や森智広市長(手前左)ら=四日市市役所】

 三重県四日市市河原田町の株式会社上田新工業(上田重幸社長)は12月16日、学校の授業のダンスなどで使える高性能スピーカーの購入にと1000万円を市に寄贈した。市は、市立小中学校すべての59校に配置する。夏の異常な暑さで外で運動する機会を奪われている子どもたちだが、「体力をつけてほしい」との申し出があり、教育委員会が趣旨に沿う活用法を考えたという。

 寄付目録と市の感謝状の贈呈式が同日、市役所であり、上田新工業からは上田社長と萩原守専務が出席した。市側は森智広市長、廣瀬琢也教育長、稲毛弥生教育監らが迎えた。上田社長が目録を森智広市長に手渡し、森市長から上田社長に感謝状が贈られた。

寄付の目録を森智広市長に手渡す上田重幸社長(右)

 上田社長は人口減少時代なだけに子どもを大切にしてほしいと思う一方、「最近の子どもたちは色が白いな」と日焼けしていない様子が気になっていたという。夏の極端な暑さなどで外で遊ぶ機会が奪われているといい、「子どもたちの体力の向上に役立つことに使ってほしい」と申し出たという。

 上田社長は国家資格の「技術士」をめざすため、社長就任後にあらためて社会人入学で名城大学に入って勉強した努力家。裕福な学生もいれば苦学生もいる現実を見て、若者がそろって活躍できる社会にしたいとも思っている。

 この思いを受けて、教育委員会側が思いついたのが小中学校の授業のダンス。これから3年がかりで全学年用のダンスプログラムをケント・モリさんにつくってもらうことになっているという。

 実は、ふつうのCDプレーヤーを体育館の床に置いて音楽を鳴らすと、ダンスの衝撃で音が飛んでしまうことも。そこで、ブルートゥースで音をスピーカーに飛ばすことができ、車がついて移動も楽な高性能なスピーカーが有名メーカーから出ているのを見つけ、その購入費にあてさせてもらうことにしたという。

 上田社長は「最初はサッカーボールがいいかなとか、いろいろ考えましたが、必要なものを買っていただくことで、お役に立ててうれしいです」と満足そうだった。

 上田新工業は浄水施設や下水道施設など、水に関わる仕事を専門にしており、昭和20年の創業から80周年を迎え、それも意識した寄贈だという。

贈呈式後の記念撮影をするみなさん

こんな投稿もあります。