祖父が社長を務める創業150年の丸彦酒造(四日市市川島町)に今春入社。商品開発マネジャーとして、得意先回りや店頭での試飲販売などに奮闘する。

 大阪市出身で、勤務先は母の実家に当たる。大阪商業大学3年の時、ゼミの担当教授の紹介で、滋賀県の酒蔵で酒造りを体験。何気なく飲んでいただけでは気付かなかった、こだわって造られる味の深みに魅了された。

 「もっと若い世代に日本酒を飲んでほしい」と、伝統の味を守りつつ新しいアイデアも模索しているそうで、「酒の楽しみ方も伝えたい」と意気込む。主力の吟醸酒だけでなく、「飲み始めは甘口なのに後味が辛口」という無濾過の原酒「樋乃口」がお気に入りだ。

 四日市中央工業高校時代はサッカー部に在籍し、1学年上にはドイツで活躍する浅野拓磨選手がいる。自身はBチームだったが、「Bチームの子のほうが将来的に社会で成長する。ここから頑張っていけ」という恩師・樋口士郎監督の言葉が今も心に残っている。

 日本酒ブームとはいえ、小規模な蔵の経営は簡単ではない。それでも「逆境の方が楽しい。いつか『三重県に三重の寒梅あり』と言わせたい」。サッカーで培った精神力が挑戦を支えている。