「世界驚かせたい」西朝明中3年・渡部樹君

 「将来はF1レーサーになって、世界を驚かせたい」。小学3年からカートレースの世界で腕を磨いてきた四日市市立西朝明中3年の渡部樹君(14)(同市あかつき台)は今年から、レーシングカートの日本最高峰「全日本カート選手権」の最上位「OKクラス」に参戦している。4月のデビュー2戦はほろ苦い結果となったが、所属チーム「TOYOTA TAKAGI RACING TEAM」の監督を務める元F1ドライバーの高木虎之介さん(44)とともに活躍を誓う。【マシンに乗り、高木さん(左)とともに今後の活躍を誓う渡部君=鈴鹿市の鈴鹿サーキットで】

 モータースポーツファンの祖父・英典さん(68)に連れられ、桑名市にあるカートコース「レインボースポーツ」へレースを見に行き、スピード感や響き渡る音に魅了され、カートレースに挑もうと決めた。父・彰太郎さん(40)は「ジェットコースターも怖がっていたので意外だった」と振り返る。

 同コースに拠点を置くチーム「KART WORKS HIGUCHI」に所属し、ジュニアクラスで実績を重ねる。4年時には同コースで年間開かれる「レインボーシリーズ」でクラスチャンピオンになり、6年時には日本のトップドライバーらが挑戦してきた「ジュニアカート選手権」にも参戦。同選手権での活躍が目に留まり、翌年には高木さんのチームへ移籍した。

 移籍初年に地方チャンピオンとなり、日本代表として、タイで開かれたアジア選手権に参戦。初めて海外でのレースを経験し、結果は27台中9位。「言葉も分からず不安な気持ちがあり戸惑った。力不足を感じた」という。当初は「とにかくカートで走ることしか考えられなかった」そうだが、カートに乗らない日も自宅でダンベルを使ったトレーニングは欠かさず、レース時の天候などもイメージして練習にも望む。

 翌年、最年少で出場した全日本FS‐125クラスでシングルランキング(6位タイ)になり、OKクラスの出場資格を勝ち取って最年少での参戦が決まった。

 4月下旬、鈴鹿サーキット(鈴鹿市)の国際南コースから戦いは始まった。第1戦はエンジン系統のトラブルで30台中17位、第2戦は予選・決勝ともミスからリタイアを喫し、日本最高峰クラスの厳しさを痛感。しかし、「反省点や課題がたくさん見つかったので、次につなげたい」と前を向いている。

 参戦するOKクラスには、年上の経験豊富なドライバーや同年代のライバルたちがいる。高木さんは渡部君の成長について「移籍直後に比べ、だんだん大人になってきたなと感じる。これまで以上に実力が問われる世界だが、最後まで勝ち切る力をつけていってほしい」と期待を込める。

 「カート」といえば、遊園地などにあるゴーカートやテレビゲームをイメージし、「レース」という印象を抱く人が少ないと感じることもあるそうだが、「自分が頑張ることで、カートレースをもっと多くの人に知ってほしい」と語る。出だしの2戦を終え、「OKクラスの難しさを実感した。自分の走りを改善し、結果に結びつけるのが今の目標。まずは入賞を目指し、そして優勝したい」と話していた。【4月28日の第1戦で走行する渡部君=鈴鹿市の鈴鹿サーキットで(石垣和哉さん撮影)】