ダウン症と向き合う 三重平中2年・森山暖日さん

 握りしめたラケットにボールが当たり、はじける笑顔――。生後間もなくダウン症と診断された三重平中学校2年の森山暖日さん(14)(四日市市高角町)は、周囲の人たちに見守られながら、音楽やスポーツなど、自立に向けて「小さなできること」を積み重ねている。【スペシャルオリンピックスのテニスプログラムに参加する森山暖日さん=四日市市城北町で】

 「事実を受け止めるのに時間がかかった」と母の明子さん(54)は振り返る。森山さんが生後2か月のころ、ダウン症など染色体異常のある県内の子どもと家族による会「エンゼル会」に出会ったことで、心身の発達が遅くて心配な時も、先輩ママたちから療育や福祉の情報を得たり、励まされたりした。

 自ら新しいことに取り組みづらい森山さんは、幼いころは数や言葉などの早期療育を受け、ピアノやハンドベルも習いカラオケも楽しむ。挑戦の一つとして、知的障害者のスポーツ活動を支援する「NPO法人スペシャルオリンピックス日本・三重」が提供するスポーツプログラム10競技のうち、5年前から競泳、2年前からはテニスに取り組んでいる。

 6月のテニスプログラムに参加した森山さんは、時には空振りもするが、真剣なまなざしで、投げられたボールを打ち返すことができるようになった。この日は全9回のプログラムの最終日に当たり、皆の前でボレーなどの練習成果を発表し、成功して「面白かった」とはにかんでいた。

 「『いろんなことに挑戦したい』という気持ちを育てたい。それが将来、暖日の生活を豊かにすると思うから」と明子さんは語る。自力で高校へ通えるようになることを願い、中学校の登下校や、福祉支援の人との最寄り駅までの散歩などが練習になっているという。

 テニスを終え、明子さんと一緒にビブスを片付け終えた森山さんは、さっさと車の方へ。「明日学校あるよ。やったー」。屈託のない笑顔の向こうには、楽しみな未来がきっと待っている。