閔丙千(ミン・ビョンチョン)さん(38)

 「人生の中で、お墓に関わる仕事をするとは思っていなかった」。2年前、生まれ育った韓国から妻の実家がある四日市市に移住し、墓地販売と管理に携わっている。

 日本のプラント設備を扱う代理店に勤務していた時に旅行で名古屋を訪れ、出会った山本旬紗さん(35)と結婚し今年で11年になる。旬紗さんの実家・願生寺(同市伊倉)では数年前から霊園の新設を進めていて、来日のたびに義父から誘いを受け、転職と移住を決意した。

 初めて日本の葬儀に参列した時、火葬場での拾骨を見て驚いた。韓国では骨を見ることがタブーだからだ。文化や風習の違いに戸惑いつつも、「将来は墓地の隣に子どもの遊び場を設けるなど、お墓のイメージを変えていきたい」と夢を語る。

 勤務する一般社団法人「伝承会」では、墓石の代わりに象徴となる木を墓標に見立てる「樹木葬」を中心に霊園「東山颯憧」の墓地販売・管理を担当。一人で相談に訪れた高齢女性と会話を通じて打ち解け、「息子のように連絡をくれるようになった」ことは印象的な出来事だったそうだ。

 休日には市国際交流センターで外国人に日本語を教えるボランティアを始めた。「海外に住む外国人の気持ちが分かるから、ぴったりでしょ」。

(2019年9月14日発行 YOUよっかいち第169号 YOKKAICHIミライびと)