木工でつなぐ人の輪 四中工の都市工学研究部

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 県産材で木工品を作り、林業関係者や地域住民との交流を続けている県立四日市中央工業高校(四日市市菅原町)の都市工学研究部では日々の活動を通じ、木を育てる人、活用する人、製品を使う人をつなぐ「小さな循環型社会」の実現に向け日々活動している。【かんなくずとすのこを手にする部員と伊藤教諭(左)=四日市市萱生町で】

 10年ほど前に発足し、現在は7人が在籍。近年では校内の備品はもとより、地元の公民館に寄贈するすのこも自作している。木材購入でつながりのある企業の協力を得て、チェーンソーでの伐倒やロープワークも体験し、危険を伴う作業も体感。木を育て、加工する人たちへの感謝の気持ちも芽生えたそうだ。

 また、未来ある高校生の育成に賛同する企業から、店舗の看板なども依頼を受けて制作している。経費は寄付として受け取り、材料費や砥石(といし)の購入資金に充てている。

 昨秋、削ったかんなくずの薄さを競う職人向けの競技会「削ろう会」の県大会に出場。厳しい結果だったが、職人たちの技を間近で見て、直接指導を仰ぐこともできた。大会後は技術向上を目指し、かんなの刃とぎや台の調整など、1日約4時間もの練習を重ねて集中力や技術を磨き、当初0・1ミリほどだったかんなくずの厚さは2か月で半分になった。

 12月には四日市大学(同市萱生町)で開かれた高校生の環境活動を発表する「冬のエコフェア」で、日頃の活動内容を発表した。木工技術を身に着け、担い手の少ない林業と温かみのある木工品を望む人をつなぐ活動が、同大の教員や外部審査員に評価を受けた。顧問の伊藤了教諭は「どんなものを作れば人の役に立つか、自ら考えることを大切にし、技術と技能を身に着けていってほしい」と語った。

(2020年1月11日発行 YOUよっかいち第177号掲載)