清水町の村瀬さん
和小物教室を主宰する四日市市清水町の村瀬美和子さん(75)は今年4月と7月に、疫病退散の伝説がある垂坂山観音寺(同市垂坂町)へ長さ約2㍍の「つるしびな」を計2基奉納した。吉田眞圓住職は「立派なつくりと繊細な細工に感動した。新型コロナの早期終息の願いが込もっている」と話す。【つるしびなを手に取る村瀬さん(右)と吉田住職=四日市市垂坂町で】
村瀬さんが作ったのは、直径45センチの下げ輪から、19列の赤糸に7つずつの小花をまとめた色とりどりの花細工17個をつるした大作。自身もよく訪れる同寺の参拝者に喜んでもらおうと、3月に自宅で開いた作品展で展示したつるしびなを最初に1基奉納した。
2基目は当初秋に完成予定だったが、制作に取り掛かった矢先、新型コロナ感染拡大で「思いがけず作業ペースが大幅に上がった」といい、7月上旬には仕上がったそうだ。 村瀬さんは「一つひとつ、ちくちくと地道に作業するのは楽しく張り合いがある。奉納できて幸せ」と語った。
2基のつるしびなは、「木造慈恵大師座像」などの文化財を収めた本堂収蔵庫に飾られている。収蔵庫の見学、拝観には事前申し込みが必要。
問い合わせは同寺TEL059-331-5448へ。
(2020年9月12日発行 YOUよっかいち第187号掲載)