野菜を身近に感じて 食育活動に情熱

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堀田健一さん

 野菜をもっと身近に感じて――。四日市市上海老町で農業を営む堀田健一さん(34)は、6年間の会社員生活の後、生まれ育った四日市で専業農家として再出発し、現在はナスやコマツナなどを生産する農園を営む。SNSでは作業風景や栽培のこつなどを発信し、地元の小学校へゲストティーチャーとして訪問するなど、精力的に行動している。【収穫を控えたニンジンの生育具合を確認する堀田さん=四日市市上海老町で】

 会社員時代の休日には、祖父の影響で野菜の世話をしていた。転身を決めた時、「農業で自分がどうしていきたいか」を考えると、「たくさんの人に野菜のことを知ってもらい、身近に感じてほしい」との思いがあふれてきた。堀田さんは、いわば「野菜を通した食育活動」を続けていこうとビジョンを決めた。

 栽培している野菜の一部は小学校の「ふるさと給食の日」にも提供し、生産者の話を児童らに届ける場として「ナスケン先生」が登場することもある。最初に作った野菜がナスだったことと、自身の愛称を組み合わせた「ナスケン」が現在のニックネームだ。3児の父として「身近に感じてほしい、ということを子どもたちに直接伝えられてうれしい」と笑顔で話す。

 また、「地元に憩いの場を作れないか」と、昨年から畑で5千株のヒマワリを育て始めた。田園地帯に鮮やかな黄色が登場すると、自身のSNSに投稿。口コミなどで見物人も訪れるが、花が終わるとニンジンを育てるための貴重な肥料になるのだ。

【ヒマワリ畑の様子(2019年7月撮影)】

 種をまいた後、記録的豪雨でヒマワリ畑が水没するなど、計画の通りにいかないことも日々あるが、「農業にトラブルはつきもの」。諦めずに再び種をまいた。今年も「こんな状況でも何かできることを」と、昨年同様に育て始めたところ、「今年も見に行く」「今から楽しみ」などの声も寄せられた。ただし、SNSなどでの情報発信は控えていたそうだ。

 また、月に1回、野菜の特徴や栄養などをまとめた手書きの広報紙「ナスケン通信」(A4サイズ)を作成し地区市民センターなどへ配布するなどSNS以外の情報発信も熱心だ。得意のイラストの腕を生かし、愛敬のある野菜のキャラクターも20種類以上考案した。「野菜を身近に感じてもらうため、わくわくすることにチャレンジしたい」。収穫を控えたニンジン畑を見つめながら、堀田さんは熱い思いを語った。

(2020年11月7日発行 YOUよっかいち第189号掲載)