【野菜を食べよう】食べてくれる方の期待に応えたい

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春キャベツ生産者・川田さん

  専業農家として確かな品質の野菜の安定供給を続ける四日市市下海老町の川田正人さん(54)。家族で協力し、色鮮やかで柔らかい春キャベツを作っている。

 川田さんは15年ほど前、親の農業を継いだ。米や白菜、トウモロコシも作る専業農家で、両親と妻も共に作業する。田植えと春キャベツの収穫が重なる農繁期は日の出とともに畑に出向き、日没まで働く。田んぼに水を入れ、土を砕いて均平にしていく代搔きでは一日中トラクターに乗ることも多く「水面での作業なので船酔い状態になる」という。

   現在、最盛期を迎えている春キャベツは、数日雨が続くと水浸しになり根腐れし、生育が悪くなるため川田さんは畝(うね)を高くし、水はけをよくしている。鶏糞を一般の生産者の3倍使い、春キャベツに適した土を作っている。コナガやモンシロチョウの幼虫が葉を食べることもあるため農薬を使うが、耐性ができ、去年効いたものが効かないこともあるという。また、コナガは結球したキャベツの内部に入り込むため、害虫対策に苦労するそうだ。

   市場出荷の他、JAみえきたの野菜などの販売所「四季菜」にも出荷。生産者の名前を表示して販売されるが「川田正人」の名を見て買い続ける人も。共に働いてきた父も83歳。川田さんの農作業の負担が増えた。四季菜で売り切れると連絡が入るため、「いつも食べてくれる人のため」と作業中でも母が手を止め補充に向かう。川田さんは「見た目もよく美味しい野菜を作り続けてきた。買ってくれる人の期待に応えたい」と語った。

(2021年5月15日発行 YOUよっかいち第195号掲載記事)

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