【YOKKAICHI ミライびと】 生涯かけて理想を追求

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そば切り石垣 石垣雄介さん(42)

    大阪の名店、手打ちそば専門店「なにわ翁」で研さんを積み、昨年7月、菰野町のリゾート施設「湯の山素粋居」に「そば切り石垣」をオープンさせた。自家製粉の二八そばで多くのファンをつかむが、「理想のそばを生涯かけて追求していく」と情熱を持つ。

  兵庫県出身。和食店を中心に働くうち、そば屋で日本酒とそばを楽しむ江戸の文化に粋を感じた。33歳の時、「和食で自分の武器になるものを持ちたい」と考え、「そば打ちの神様」の異名を持つ高橋邦弘さん系譜「なにわ翁」に入門した。

   気温や湿度に影響を受け、同じように打っても、同じように仕上がるとは限らない。修行を積んだ中で最も難しいと感じるのは、いつでも同じものを提供すること。経験から身に着けた感覚を研ぎ澄まし、夜明け前からそばを打つ。

   そばの実を殻のまま仕入れ製粉し、湯の山温泉の天然水と合わせ、香り高くのど越しの良いそばを生み出す。品書きにある「ざるそば」と「釜揚げそば」にこだわるのは、「香りを感じてもらいたい」という思いから。コロナ禍でのオープン、そばだけで勝負する自信があった。

   今後は、そばと相性のいい日本酒とコラボした「そば会」を開きたいと考えている。「若い世代にそばを通して日本の食文化に触れてほしい」と熱く語った。

(2021年8月14日発行 YOUよっかいち第198号掲載 ※撮影時のみマスクを外してもらいました)