「コラム」ふるさとの名前 第13回【神前・川島】

1016
ほそい神社

 神前地区は明治22年、西野村(現在の菅原町)・寺方村・高角村・曽井村・尾平村の5村が合併して三重郡神前村となりました。神前の語源は、式内社神前神社に由来します。

 町名の由来は、尾平の尾は山裾・端の意味で、平は平らな所の意味。菅原の旧称は西ノ野で、西にある原野で開拓地のことです。町村合併時に菅原神社に由来して付けられました。曽井は町内にある保曽井神社が由来です。

 高角は、南北朝時代には確認される地名ですが、由来は不詳です。寺方は、もともと大日寺の境内地であったので、隣村からは「寺の方」と呼ばれていました。
 
 川島地区は、古くは北山田御厨という神宮領でした。鎌倉時代頃に、源氏の郎党で伊勢義盛の子孫であったという河島義晴・永時兄弟がこの地を支配したので河島村となり、その後、川島村に換え字されました。
 
 明治22年に川島村と小生(こも)村の2つが合併して三重郡川島村となりました。町名の由来は、小生は水辺に生えるイネ科のマコモの古名、薦が生える土地の意味で、薦生を小毛生と表記し、省略されて小生となったと考えられます。三滝台は、三滝川にちなみます。別山、浮橋は宅地開発範囲にあった小字名に由来します。

協力:四日市観光ボランティアガイド 監修:四日市市立博物館
※2022年5月7日(207号)発行 紙面から