四日市市水沢町で「かぶせ茶カフェ」を営むマルシゲ清水製茶(清水聖一代表)は、戦後創業の三代続く茶農家。急須でお茶をいれる人が少なくなる中、全国でも高い生産量を誇る地元の「かぶせ茶」の魅力を知ってもらおうと挑戦を続けている。
先代の長女・清水加奈さん(43)は、東京の大学に進学し茶を扱う会社に就職。全国の茶を飲み比べ、地元のかぶせ茶の質の高さに気づいた。25歳の時家業を継ぐ決心をし、交際していた聖一さん(48)と結婚、地元に戻った。
かぶせ茶は収穫前に1週間から2週間ほど黒いシートで日光を遮断し、旨味成分のアミノ酸がカテキンに変わるのを防ぐ。玉露も日光を遮断するが、その期間がかぶせ茶より長い。煎茶と玉露の中間にあたり、高い温度の湯で渋みを、低い温度の湯で甘味を出し、好みの味にできる。
清水さんは「かぶせ茶をもっと気軽に親しんでもらいたい」と、ティーパック粉末茶などを販売し、2010年にかぶせ茶カフェをオープンした。カフェを訪れた人との会話から、新商品のヒントを得ることも。こだわりの品種の飲みくらべ膳や、かぶせ茶スイーツを提供している。清水さんは「水沢のかぶせ茶は、全国でも引けを取らない美味しさ。その魅力を知ってほしい」と話した。
4月28日(木)から5月8日(日)までは、茶摘み体験と新芽の天ぷらを楽しめる。予約が必要で、新茶と菓子がついて一人千円。問い合わせは同カフェ☎059・329・2611まで。
※2022年5月7日(207号)発行 紙面から