【希望の星】世界の壁に挑む スポーツクライミング 森奈央さん

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 昨年ロシアで開かれたスポーツクライミングの世界ユース選手権に出場した四日市市川島町の森奈央さん(鈴鹿高校2年)は、ワールドカップ出場を目指し、一人で練習を重ねている。

 小学1年生の時、クライミングが趣味の父に四日市市内のクライミングジムに連れて行ってもらった。自分の手足だけで高い壁に登る魅力を感じ、スクールに参加。ロープを使わず5メートル以下の壁を登るボルダリングから始め、3年生からロープがつながったハーネスを装着し、12メートル以上の壁を登るリードにも挑戦。中学3年と高校1年の時にリード女子のユース年齢別で全国優勝し2連覇を達成した。

 持久力に自信があり、握りっぱなし、ぶら下がりっぱなしで、高い壁を登るリードが得意。失敗しても制限時間内なら何度でもチャレンジできるボルダリングは瞬発力が必要で、瞬発力の強化が課題だ。

 練習も試合も公共交通機関で、一人で向かう。世界ユース選手権も羽田空港まで一人で行った。指導者はつけず、自分で練習メニューを考える。練習の帰りに電車で花火大会帰りの浴衣姿の若い女性を見かけ、「うらやましいな」と感じたが、世界の舞台で活躍する夢を叶えるために妥協はしない。

 クライミングと並行し、パフォーマンスをあげられる食事方法や栄養面も勉強する。同じアスリートを支える人にもなりたいと、学校では特進コースで勉強との両立を図る。来年1月からワールドカップの日本代表を決める試合が始まる。「クライミングの無い人生は考えられない」と、人生の高い壁も越えていく覚悟で臨む。

※2022年9月3日(211号)発行 紙面から