松阪市出身の作家、やすいやくしさん(56)が、デビュー作のジュニア向け小説「4分の1の魔女リアと真夜中の魔法クラス まさかの魔法使いデビュー!」(小学館刊)を三重県内の小中学校に寄贈した。四日市市では市教育委員会を通して、全37校の市立小学校に届けられている。【シリーズ3冊を紹介するやすいさん=四日市市新正で】
同小説は、祖母が魔女だが人間として育った12歳の弱気な少女リアが、そうと知らずに「魔法クラス」のある全寮制中学に入学。人間と魔法使い両者の友人関係の中でトラブルに巻き込まれながらも、一人前の魔法使いを目指して成長する物語。「日本語の美しい言葉が好き」というやすいさん、令和の子どもたちが読みやすいように、今どきの言葉も使うが、随所に古典的な趣のある語句をちりばめた。
2018年に第5回小学館ジュニア文庫小説賞金賞を受賞し、作家デビュー。同受賞作を3年かけて練り直し、21年6月に発刊。同11月にシリーズ2作目、今年10月28日に同3作目となる「黒に堕ちた学園を救え…る?」を出版。
20代後半に、県内でライターとして旅行情報誌などの記事を執筆。結婚を機に京都府長岡京市に転居した。「地元に恩返ししたい」という思いが学校への寄贈につながった。「リアの仲間たちは、性格は違っても皆自分の好きなものを好きと言える個性的なキャラクター。好きなものがあれば、生きていける。子どもたちの心が避難できるような場所になれれば。魔法ファンタジーの世界を楽しんで」と話した。