四日市でしか買えない酒「MARU YON」、12月3日に発売

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 米づくりから製造、販売、消費者の口に入るまで、すべてを四日市市で完結させる「まるごと四日市の酒『MARU YON』」が12月3日に発売される。日本酒で地域を盛り上げようと、市内五つの酒店が酒造会社や農家を結んで実現させた。「四日市でしか買えない」を売りにする、まさに地産地消の酒。早めの予約が必須のようだ。【四日市市の農家、酒造会社、酒店がチームを組んで完成させた「MARU YON」=提供写真】

 四日市市内の五つの酒店が2015年、中心市街地で県内の酒造会社を巻き込んだイベント「三重の大酒蔵市」を始めた。三重の酒を食事とともに楽しめる催しで、大いに歓迎され、今に続いている。

 酒店の店主たちは、日本酒で地域を盛り上げるために、すべてを四日市で完結させる酒ができないかと話し合っていた。米づくりが最大の問題だったが、保々地区にある齋藤農場が引き受けてくれることになり、2016年、夢の酒が実現した。

 最初の2年は桜地区の伊藤酒造、次の4年は楠地区の宮崎本店と、酒造会社もリレー方式で取り組み、7年目の今年は川島地区の丸彦酒造にバトンタッチ。今年の酒も「香りおちつき、すっきり、さわやか」「ほどよい甘み、バランスのよい仕上がり」など、テイスティングの感想は上々だ。

 「MARU YON」は、「まるごと」「四日市」の「まる」と「四」。ラベルの4重の丸のデザインは、酒のしずくが落ちた時の波紋と、「米農家」「酒蔵」「酒屋」「お飲みいただくみなさま」の四つがそろって完結する酒であることを表しているという。

 今年の生産は、720ミリリットル入りが1650円で1200本、1.8リットル入りが3300円で600本。予約・販売は義侠屋(鵜の森)、旨喜酒専門店KOBA(生桑町)、ソムリエひろしの店 蔵屋(下之宮町)、リカーパークまるち蔵(西新地)、福田屋酒店(東富田町)で扱っているが、毎年、発売日にほぼ売り切れているといい、気になる場合は予約が必要だ。「四日市でしか買えない酒」の性格上、市外への発送・配達は断っている。なお、この酒を仕入れている市内の飲食店なら食事とともに味わうことができるという。