展示に足止め考える、四日市で「じんけんフェスタ2022」

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 「じんけんフェスタ2022」が12月4日、三重県四日市市の市文化会館で開かれた。教育、福祉、環境、犯罪など様々な角度から展示がされ、たくさんの人が足を止めた。展示棟では「生命のメッセージ展」も開かれ、多くの人が人型のパネル「メッセンジャー」に向き合った。【人権についてのポスターや標語などが並ぶ会場=四日市市安島2丁目】

 四日市市、市教育委員会、北勢人権啓発活動地域ネットワーク協議会の主催。会場の入り口では、同和問題、生活困窮者の現状や支援制度、インターネットの危険な側面、障害者への差別、ヘイトスピーチの問題点などを解説するパンフレットやチラシが手渡された。会場では、子どもらによる人権に関するポスターや標語などが展示され、人権をテーマにした中学生の作文の朗読会もあった。

 展示コーナーのなかには、四日市市民の人権意識調査の結果をまとめたパンフレットも置かれていた。ほかの人の人権が侵害されたとき、「気づいていたが、指摘することはできなかった」と回答した人がほぼ半数で最も高い割合を占めていた。

 展示棟ホワイエで開かれた「生命のメッセージ展」では、交通事故や犯罪で突然、命を奪われた県内外の人のメッセンジャーが並んだ。その人が亡くなった時の身長と同じ高さのパネルの足元には、その人の靴が置かれ、遺族のメッセージなどがある。いじめなどの暴行で亡くなった若者も多いが、幼い命が奪われた例では、多くが飲酒などの無謀な運転による交通事故が目立つ。遺族が書いた生前のエピソードは幸せな空気感に満ち、読む人の胸を打った。

 このほか、人権週間記念映画「20歳のソウル」の上映などもあった。

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