クリスマス茶会で季節と遊び心を楽しむ、四日市の茶室「泗翠庵」

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 三重県四日市市の茶室「泗翠庵(しすいあん)」で12月18日、季節と遊び心を楽しむ「クリスマス茶会」が開かれた。茶の基本はそのままに、掛け軸や花、茶器、和菓子などにクリスマスの飾りや工夫が凝らされ、参加者は笑顔もこぼれるリラックスしたひとときを楽しんだ。【クリスマスらしい演出を取り入れた広間のしつらえ=四日市市鵜の森1丁目】

 四日市市と市文化協会の主催で、四日市茶道教授連盟が実際に会場を切り盛りし、全体で100人を超える参加者があった。連盟の前川温子さん(表千家)によると、連盟は表千家、裏千家、遠州、松尾の4流派でつくっており、ふだんは、泗翠庵の中にあり、気軽に茶を楽しめる「立礼席」の運営も担当している。クリスマス茶会は、若い人たちにも茶に興味をもってもらおうと企画したという。

 床の間に飾られた掛け軸は、ふだんとは雰囲気が違い、前川さんが2年ほど前に東京で見つけたキリスト教の祭服の襟の一部を江戸時代の草木染めと合わせて京都で額ふうに軸装してもらったという作品。16世紀ごろのものといい、刺繍は聖職者らの物語を示しているようだ。

 花は、デルフト陶器の花瓶にヒイラギの葉と赤いグラリオサをアレンジした。香炉はトナカイ姿で、床の間の横にはリヤドロの陶人形も置き、洋風な雰囲気を取り込んだ。前川さんは和服の帯にクリスマスらしい絵柄を選んだ。

 茶碗も金の飾りや星の絵が入っているものが多く選ばれ、和菓子にも星形や金の飾りがあるなど、細かなところまで気を配った演出がされていた。

 

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