箱根駅伝シード争いで力発揮 四工出身の城西大・山中選手

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 1月2、3日に開かれた第99回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)最終10区で、城西大学が東洋大とのデッドヒートを制し9位に、次回100回大会へのシード権を獲得した。城西大のアンカー・山中秀真選手は(3年)は県立四日市工業高校の出身、高校時代に培った走力と仲間との絆を糧に、さらなる飛躍を目指す。【箱根駅伝を走る山中選手=提供写真〕

 鈴鹿市の鼓ヶ浦中学校時代はサッカー部に所属し、陸上競技の大会にも出場。3年生の時に美し国三重市町対抗駅伝の鈴鹿市の中学生男子代表に選ばれた。同高に進学し、1年生で、国体に出場。在学中に同高OBの瀬古利彦さんが学校を訪れ、励ましの言葉をかけてもらったこともあったが、当時は瀬古さんの実績を知らず、次第にその偉大さを知り驚いたという。3年生では全国高校総体や全国高校駅伝にも出場した。

同級生の活躍に悔しさも

 城西大では1年生から箱根駅伝の予選会に出場。2年生の時は関東学連選抜のメンバーに選ばれたが、補欠で出られなかった。同高の同級生で共に全国高校駅伝などを走り、今も交流がある伊藤秀虎選手(中央学院大)と小林篤貴選手(神奈川大)がそれぞれの大学から出場し、自分だけ出られず悔しい思いをしたが、それを糧に練習に励んだ。

 3年生になり、トラックレース5000mで14分2秒15、1万mでは28分57秒70の自己ベストを記録。箱根駅伝の予選会は、1時間4分26秒(21.0975km)で、全体の75位に。城西大は3位で、本選出場を決めた。

アンカーで力走 ゴールの瞬間に「よっしゃー」

 レース本番では往路の結果から、10区は東洋大との接戦になり、勝敗の決め手は自分の走りと自覚。勝っても負けてもシード圏内の10位に入ることは見えていたため、普段通りの安定した走りを心掛け、東洋大の選手の前で風を受けながら走った。途中前に出られた際も、焦ることなく自分のスピードに自信を持ち、抜き返した。残り3㌔ほどの地点で監督の声かけがあり、「9位でゴールする」とさらに気持ちを引き締め、ゴールの瞬間、無意識に「よっしゃー」と叫んでいたという。

 来年の箱根駅伝は100回大会で、山中選手にとって最後の出場になる。メンバー入りのため、ハーフマラソンで1時間3分台を目標とする。直近では2月に三重県で開かれる「美し国駅伝」に、鈴鹿市チームのアンカーで出場予定。地元伊勢路を走る全日本大学駅伝にも出場する最後のチャンスだ。「高校時代に仲間と築いた絆で駅伝の魅力を知った。大学最後の駅伝を走り切り、実業団でも自分の可能性を試したい」と熱い思いを語った。

 

 

 

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