2050年へグランドデザイン提示、来年度以降も議論継続、四日市コンビナートのカーボンニュートラル

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 今年度最後の「四日市コンビナートのカーボンニュートラルに向けた検討委員会」(4回目)が1月12日、四日市商工会議所であり、これまでの議論をまとめた「2050年カーボンニュートラルに向けた検討報告書」の案が提示された。この日の議論を踏まえ、3月中頃に最終報告書が発表される。1年続けた議論をさらに深めるため、来年度以降も「推進委員会」の形で続けることも決まった。【公害の教訓を原点に未来のコンビナートの在り方を考えたいとあいさつする一見勝之知事=四日市商工会議所】

 会議終了後、三重県の一見勝之知事は「グランドデザインとしてまとめられたことは非常に大きな成果だ。今回はコンビナート企業が集まったが、ここにいない自動車関連企業や航空会社など、さらにウイングを広げていく必要がある」などと話した。四日市市の森智広市長は「これまで個々の企業でやっていたものが、コンビナート全体で何をやっていくか、はっきりした。各企業も最新の情報を共有でき、さらに新しいアイデアを推進委員会で議論していきたい。行政の役割にも応えていきたい」などと話した。

 この日の検討報告書案は、SAF(持続可能な航空燃料)の製造、エチレンプラントで副生するガスの利活用という、コンビナート企業が主導したふたつのこれまでの議論を含めた、2050年へ向けた課題や時間軸などがまとめられた。おおむね2030年までのカーボンニュートラルの立ち上げ期、2031~2035年の拡大期、2036~2050年の確立期に分け、四日市コンビナートが行政など関係機関とともに「エネルギーの脱炭素化・低炭素化」「化学品製造プロセスの脱炭素化・低炭素化」「産業集積地の基盤整備/産業誘致」の基本施策方向性を目指すとしている。

 燃料の水素やアンモニアへの転換についても試算を示しており、企業ヒアリングなどから、2030年以降、四日市市でも水素やアンモニアが急速に需要を拡大すると見込んでいる。これらの実現のためには何が必要なのかは多岐にわたるため、来年度以降の議論で深めていくという。

 カーボンニュートラルは二酸化炭素に代表される温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味し、地球温暖化の危機への取り組みとして大きな課題となっている。県内最大の産業拠点ともいえる四日市コンビナートにとっても取り組みは必至で、委員会は、企業と行政が手を組んで課題解決に向けて進もうと議論を続けてきた。