貴重な文化財を火災から守ろう、四日市の興正寺で消防訓練

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 三重県四日市市の興正寺で1月18日、文化財防火デーに伴う消防訓練があった。寺が所蔵する古文書は2021年に市の有形文化財に指定されており、それを受けての初の訓練になった。檀家の役員たちが大切な古文書を本堂から運び出すなど、いざという場合の手順を確認した。【本堂に向けての一斉放水訓練=四日市市日永2丁目】

 寺の関係者、市南消防署、市日永分団の約40人が参加。本堂から出火した想定で、天白正宣住職が119番通報、檀家の人たちが文化財の古文書を運び出し、消防隊員らの放水で消し止めるという訓練内容。初めての訓練だったが、檀家の人たちもてきぱきと動いた。訓練のあと、消火器の扱いの指導も受けた。(本堂から古文書を運び出す檀家の人たち)

 訓練後の講評では、南消防署の今尾清署長が「訓練を繰り返し行うことで、貴重な文化財を後世に伝えてください」とあいさつした。(訓練後、消火器の扱いも学んだ)

 興正寺は、天正3(1575)年、織田信長に仕えた武将、滝川一益の寄進により現在地に移ったとされ、その寄進状と、同11(1583)年の羽柴秀吉(豊臣秀吉)が寺を含む日永地域の安全を保証したことを示す禁制の文書があり、文化財に指定されている。

 文化財防火デーは1月26日で、1949年のこの日、奈良県の法隆寺金堂で火災があったことに基づいている。興正寺のあとも神明神社(川島町、21日)、薬師堂(川越町豊田一色、23日)、垂坂観音寺(垂坂町、24日)、大入道収蔵庫(中納屋町、29日)、顕正寺(西日野町、31日)でも消防訓練が行われる。