若い視点で市政にたっぷりの意見、四日市で3年ぶり高校生議会開く

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 若い視点で三重県四日市市に意見を伝える高校生議会が1月21日、同市議会の本会議場や委員会室を使って開かれた。政治や社会に関心を深めてもらおうと2018年度から始まったが、新型コロナの感染拡大があり、今回は3年ぶりの開催になった。約30人の高校生議員が意見を交わし、三つの意見書を市議会に提出した。【若い視点で意見書をまとめた高校生議会=四日市市諏訪町】

 参加したのは特別支援学校を含む10校の生徒たち。議長に坂口遙音さん(四日市西)を選んだあと、「観光・シティプロモーション」「人権」「子育て・教育」の三つの委員会に分かれて意見を交わし、それぞれの意見書案をまとめた。(委員会での議論)

 観光・シティプロモーション委員会は、市のイメージ向上を図るため、お薦めの撮影スポットや飲食店などのマップを作り、フォトコンテストやグルメフェスを開くこと、中央通り再編に合わせ、かつて東海道の宿場町としてにぎわったように、伊勢志摩などへ向かう旅行者に訪れてもらうよう努めるなどの提案をした。

 人権委員会は、学校でのいじめをなくすため、児童と教員の二者面談を実施し、特定のSOSサインを決めて普及させるなど、いじめを受けていることを言い出しやすい環境を整備すること、登校できなくなった児童生徒にオンライン授業を配信するなど学習環境を確保できるよう配慮する、などの施策を求めた。

 子育て・教育委員会は、病児保育を受け入れる協力医療機関を増やし、病児保育が土日祝日でも利用できる体制を整備する、小中学校給食費の無償化または一部助成の実施や、子ども医療費助成の対象を18歳までに拡大する、などの提案をした。

 三つの意見書案は、満場一致で採択され、本会議場で高校生議長の坂口さんから、市議会の森康哲議長に手渡され、市議会で検討してもらうことになった。

 議会を終えた坂口さんは「選挙に行けない高校生の意見が伝えられることに魅力を感じて参加した。自分では思いつかない考え方も聞けて有意義だった」と話した。委員会でまとめ役の委員長を務めた植村颯斗さん(朝明)、大西花音さん(海星)、高橋香帆さん(四日市南)の3人は、多くの委員の異なる意見をまとめることは大変だったが、まとめることより、みんなの意見をしっかり聞くことを大切にした、などの感想を語っていた。(参加した高校生たち)

 

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