電気代が年間約5億円増へ、四日市市の「家計」に物価高騰が影響、当初予算案編成で

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 2023年度当初予算案を2月3日に発表した三重県四日市市で、一般会計の電気、都市ガス、プロパン、軽油の料金が、原油価格、物価の高騰が原因で前年比5億6380万円余も多くかかることが分かった。市内の全中学校の給食費を1年間無料にできる金額に匹敵するという。「少なくともこの10年、このような急激な増加になったことはなかった」と財政課の担当者も驚いている。【電気代が年間5億円の増加になる見通しの四日市市役所=同市諏訪町】

 電気、都市ガス、プロパン、軽油の当初予算額の合計は、2022年度が8億4538万4000円だったのに対し、2023年度は14億920万5000円に増加したという。市は、新型コロナの影響がなお続いている状況下で、市の財政があまりに節約に向かうのは好ましくないと判断し、財政調整基金から13億円の繰り入れもして予算編成をしたが、繰り入れの要因のひとつにエネルギー料金の高騰が含まれているという。各エネルギーの値上げによる増加分のうち、ほぼ5億円が電気代だという。電気代のこれまでにない高騰ぶりは一般家庭でも話題だが、自治体の「家計」も同じ状況に置かれている。

 財政課によると、保護者が負担している給食費は、全小学校で約8億円、中学校では約5~6億円になるという。今回の電気代の増加分は、中学校全体の年間給食費に匹敵する。また、保育園の園舎を建て直すことも可能な金額だという。新年度の施策の中で見ても、妊娠や出産を支援する「出産・子育て応援事業・事務費」が5億3177万円余で、新規事業を立てられる金額になっている。