もがき続けた経験を人のために ミスターナショナルユニバース日本代表 小澤巧さん

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 四日市市在住の小澤巧さん(29)が6月にタイで開かれる世界大会「ミスターナショナルユニバース」に出場する。世間体ばかりを気にして、身体的な悩みを抱え生きてきた10代だったが、体を鍛えることで内気だった性格も変わり、自分の軸を持てるようになった。

 「世間体がいい」という理由で国立の鈴鹿工業高等専門学校に入学したが、中学時代と異なり学業で目立った成績を得ることはできず、現実の厳しさを知った。幼い頃からモデルや芸能界のような華やかな世界に憧れていたが、当時は身体的な悩みも大きく「自分なんて」と何も行動に移す事なく学生時代を終えた。

 卒業後は大手自動車関連会社に就職。学生時代のイギリス、カナダ留学生活で培った語学力を活かし、上司や環境にも恵まれ高い評価を得るも、将来本当にありたい姿とのギャップが次第に大きくなり、その気持ちは無視できなくなった。

 25歳の時ジムで体を鍛え始めると夢中になり、健康的でバランスの取れた美しさを評価するボディコンテストに出場するように。ジムの認定トレーナーになり、コンテスト出場を目指す人などの指導も始めた。知性や内面なども評価されるメンズコンテストに出場し、ファイナリストになるなどステップアップを重ね、昨年生涯魅力ある存在を追求する男性のためのコンテスト「ミスターフェニックス」で年代別グランプリに輝き、世界大会「ミスターナショナルユニバース」の唯一の出場者の座を射止めた。  

 会社員生活の中で、「見栄えのいい肩書が増えても、自分で決めた目標を達成できていない自分をメッキ」と感じ、自分軸をしっかり立てブランディングしようと決めた。「目標達成に必要なのは、常に可能性を模索し無駄を積み重ねること」だという。昨年退職し、2月にパーソナルジム「SILHOUETTE」(同市西浦)をオープン。世界大会後は「常にもがきながら生きてきた経験を、コンテストや夢に向かって踏み出そうとしている人のために役立てたい」と語った。

(2023年3月4日発行 YOUよっかいち第217号より)