【YOKKAICHI ミライびと】母の思い、つなぐお店に 下木場美沙さん(26)

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 四日市市西日野町に開店した「居酒屋SASANA」の店主。母が約5年してきた店を引き継ぎ、季節感あふれるメニューで家族連れから若い女性まで、幅広い層に通ってもらう店を目指してリニューアルした。

 母・聡美さんの店の手伝いもしていたので、客には顔なじみも多い。他愛もない会話が大好きだったが、仕入れや事務処理などをほぼ一人でしていた聡美さんが19年11月ごろ、過労のため体調を崩した。臨時休業にするなど、なんとか続けたが医師からも「1回休んだ方が良いです」など助言を受け、「もう閉店するしかない」と常連客にも話をしていた。自身にとっても楽しい思い出いっぱいの場所、「母が頑張ってきた大切なお店を終わらせたくない、私が継ぐ」。会社員として働いているため、簡単ではないと分かっていたが覚悟を決めた。以前から閉店する話がでてきたときに「美沙さんがやりなよ」と常連から言われていて、引き継ぐことが決まった際は「頑張ってね」と励ましの言葉をもらったという。

貴重な経験に

 仕入れや店での調理など、店の業務を一人ですることへの不安もあったが、妹や知人、これまで店で働いていたスタッフの支えもあり、開店への準備は着々と進んだ。

 趣味のおでかけやカフェ巡りは一旦控え、「当分の間は店のことに全集中です」と母の思いもこもった店のことに心血を注ぐ。生まれも育ちも四日市、地元が大好きで、店をすることは貴重な経験になると感じ、胸を躍らせる。

 店を軌道に乗せ、もっと多くの人に来てほしいとアイデアを練る毎日。「母の体調がよくなったら、皆まっていたよって言って一緒にまた店をしたい。そのためにもしっかり店を守っていきたい」と笑顔で話した。

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