ふだんは買い物袋、いざ災害時には多用途に使えるポンチョもついている。そんな「防災救急エコバッグ」を三重県四日市市の職員が考案し、市民への配布を始めた。市の「こんにちは赤ちゃん訪問」での配布や、防災や救命などの講座の受講者、環境イベントの参加者などへの配布を予定している。【エコバッグについているポンチョの使い方を説明する森智広市長(左)=四日市市役所】
エコバッグは、買い物袋として使う場合は高さ60センチ、幅34センチ、まち20センチの大きさ。四日市の風景や地場産品などをデザインした絵が印刷されている。折りたためば、ポンチョも含め、手のひらサイズになる。
いざという場合には、エコバッグの内側に心肺蘇生法のイラスト付き解説書や救急医療に関する電話番号などの情報、災害用伝言ダイヤル171など防災・減災情報が印刷してある。さらに、付属の折り畳み式ポンチョは、災害時にこれをかぶって着替えができるほか、携帯トイレを使う時のプライバシー保護、防寒着代わりなどの活用ができるという。(心肺蘇生法のイラスト付き解説などが印刷されたエコバッグ内側)
今年度は5300個を制作した。「こんにちは赤ちゃん訪問」は、生後1~3カ月の赤ちゃんがいる家庭を訪問員が訪ねる市の制度で、まずは、この機会に配布する。講習や講座では、消防署で定期的に行う救命講習、防災・減災女性セミナーの開催時、小学生3年~6年の子どもと保護者を対象にするファミリー防災講座の受講者に配布するという。
今回のエコバッグは、毎年、職員からアイデアを募集する市内部の「政策提案」で採用された。日常の外出時は、いざという場合のアイテムを持っていないことの方が多いため、普段から持ち歩くエコバッグを防災救急グッズにできないかと検討、防災用ポンチョも一緒に収容できるものにしたという。森智広市長は「緊急時の情報を頭に入れておくのは難しいが、エコバッグなら、いざという場合も体の近くにある可能性が高いので、普及しやすいのではないか」と話している。