仮想空間で英会話学習、「ロクスリーゲーミング」の夢プロジェクトがスタート

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 三重県四日市市や桑名市を拠点にするeスポーツのプロチーム「Rox3Gaming(ロクスリーゲーミング)」が、仮想空間でゲームをしながら英会話を学ぶ教室をスタートさせた。習い事に連れていくのも苦労が多い母子家庭などを支援したいと、「夢プロジェクト」と名付けて無料で参加者を募集。応募が多く、当初の枠10人を11人に増やして4月に始動した。4月24日、参加者代表の母子とチーム、協賛企業の関係者が森智広市長を訪ね、活動開始を報告した。【英会話教室のスタートを報告したロクスリーゲーミングの関係者や参加者ら。左から3人目は森智広市長=四日市市役所】

 参加する子どもたちと講師しか入ることができない専用の仮想空間が英語を学ぶ教室だ。子どもたちはゲームをしながら講師やほかの参加者と意思疎通を図る。ゲームを進めるためには英語のコミュニケーション術を身に着ける必要があり、楽しみながら英会話が上達していく仕組みだという。海外にいる英語講師も仮想空間に参加するが、一方で、閉じた仮想空間なので知らない大人たちが入ってくることがなく、安全だという。

 1期生の参加者は桑名市から伊勢市までの11人。仮想空間が教室なので送り迎えも必要なく、週1回、決まった時間に教室に参加して1時間ほど勉強し、年間40回ほどの学習をする。市長表敬には参加者を代表して大田ゆず葉さんとお母さんも出席し、英会話が上達することを楽しみにしていた。

 ロクスリーゲーミングは、eスポーツを軸に健康と福祉、コミュニケーション、人材育成などに取り組み、「世の中をちょっとだけ変えよう」の趣旨で活動しているという。ラッピングカーの制作やeスポーツのケーブルテレビの番組制作など、協賛企業の協力も広がっている。

 代表の椎葉誠さんによると、チームに所属するeスポーツのプロプレーヤーたちは、発足からたった1年で世界ランキングの上位に食い込んでいる。しかし、「ゲームなんでしょ」と抵抗を感じる親もいるため、ゲームが学習につながることで理解を広げたいと考えたという。「夢プロジェクト」にはそんな思いも込められているそうだ。

 「夢プロジェクト」について、椎葉さんは「来年は募集枠も増やして、継続して続けていきたい」と話している。