雨に負けず田植えでスタート、四日市市楠町で「田んぼアート」

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 三重県四日市市楠町で5月14日、「田んぼアート」の田植え作業が行われた。地域の田園風景の保全や景観づくり、農業の魅力にも触れてもらおうと、10年以上続けている。時々雨が強く降る空模様だったが、県外からの参加者を含む100人ほどが作業を体験した。今年は小高い堤防からきれいに絵が見えるようにと、初めて遠近法を使ったデザインにしたという。【下図の輪郭を示すテープを頼りに作業する参加者たち=四日市市楠町南川】

 楠地区まちづくり検討委員会の田んぼアート実行委員会(森正一会長)が中心になっている。鈴鹿川派川に架かる新大正橋の南側の田んぼのうち、約1500平方メートルを借りて稲で絵を描く。今年は、吉崎海岸で産卵が期待されているウミガメと「こにゅうどうくん」を田んぼいっぱいに描くという。

 会長の森さんの話などによると、地域の農業を知ってもらう狙いを込め、田植えから稲刈りまで体験型の参加ができる「田んぼアート」を始めたという。2010年ごろから6年間続いたが、苗を買う資金や人手の問題で2年ほど中断。株式会社ファーストステップなどの協力が得られ、復活して続いているという。(葉の色の異なる苗を植え始める参加者たち)

 この日、午前9時に集まった参加者は、泥に足を取られないコツなどを聞いてから田んぼの中へ。絵の輪郭を表すテープを頼りに作業を始めた。小降りだった雨は、すぐに本降りに。赤、白、黄、紫と、葉の色が異なる苗を植え分けていった。雨の中でがんばった子どもたちには、つくりたてのポップコーンも用意された。

 2時間余りの作業で「田んぼアート」の最初のステップの田植えが終わり、輪郭のテープも取り去られた。今はまだはっきりとは見分けられないが、今後、稲が生長し、見ごろになる7月15日午前9時から見学会を開く。その後、9月17日午前9時から稲刈り、11月11日午前9時45分から楠福祉会館で収穫祭を開く予定だ。(田植え作業もほぼ完成に近づいたころ)

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