「スパイスより愛を込めて」が6月2日公開、四日市出身の瀬木直貴監督の最新作

1952

 三重県四日市市出身の映画監督、瀬木直貴さんの最新作「スパイスより愛を込めて」が、6月2日に全国で公開される。コロナ禍で休止していた瀬木さんの「菰野ふるさと映画塾」も復活し、7回目が6月末から7月にかけて開催される。瀬木さんはこれらに合わせ、5月31日、三重県庁を表敬訪問し、廣田恵子副知事に映画制作の思いなどを語った。新作は、県内ではイオンシネマ東員(東員町長深)で上映される。【新作のポスターを手に記念撮影に応じる瀬木直貴監督と廣田恵子副知事=三重県庁】

 「スパイスより愛を込めて」は、未知のウイルスにカレーのスパイスが効くことでスパイスが買い占められるなどし、カレーが食べられなくなってしまう世の中が舞台。高校生の主人公たちが愛するカレーを取り戻そうと奮闘する。瀬木さんのカレーへの愛に満ちた青春群像劇になっているという。

 瀬木さんにとっては21作目の映画になるといい、「金沢カレー」などカレー店が多い都道府県ランキングで3年連続1位になった金沢市などで2021年秋と翌年春に撮影されたという。

 主人公を演じたのは中川翼さん。初主演の「光を追いかけて」やNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」への出演もした。同級生で、貴重なスパイスの香りを纏う不思議な少女を、女性ファッション誌「Seventeen」の専属モデルを務め、「女子高生に殺されたい」「サバカンSABAKAN」などに出演した茅島みずきさんが演じる。ほかに加藤雅也さん、萩原聖人さん、速瀬愛さんらも出演する。また、この映画では三重県亀山市出身で、同市で撮影した短編映画「紡ぐ」を2021年に発表した高橋理紗さんがアシスタントプロデューサーとして携わっている。

 瀬木さんは、2016年の調査で日本人の好きな食べもの第1位がカレーだったのを見てカレーやスパイスに関心をもち、好きな人と一緒に食事もできなくなったコロナ禍に、この物語の着想を得たという。「日本のカレーは母親の数だけ違う味があると言っていい日本の代表食。スパイスは複数の組み合わせで良くもなれば悪くもなり、まるで人間と同じだなと感じました」。コロナ禍での撮影だったため、撮影現場もケータリングが禁止され、出演者やスタッフは「孤食」を強いられる環境下だったそうだ。(映画制作について語る瀬木直貴監督)

 廣田副知事からは「ぜひ、また三重県を舞台にして映画をつくってください」とお願いされた瀬木さん。「このところ、ラーメンやからあげ、カレーと食べものの映画をつくってきたので、次は?と聞かれることもある。何でしょうね。次は寿司かな?」などと話す場面もあった。

 瀬木さんは1963年に四日市市で生まれ、四日市高校を卒業、立命館大学時代に京都東映太秦映画村でアルバイトをしたことがきっかけで映画の世界に興味を持ったといわれる。オリジナル、オールロケににこだわる作品づくりで知られ、地域コミュニティーをテーマにした作品に定評がある。全国各地で映画学校の開催や映画制作を契機にした商品開発や新しい行事の創出もしている。三重県内では「いずれの森か青き海」「グッドラック~恋結びの里~」「ROUTE42」の3本の映画を撮影している。