四日市の旧四郷村役場、リニューアルオープンは来年3月、この10月にはウォーキングイベントを開催

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 三重県四日市市の市指定文化財、旧四郷村役場について、市はリニューアルオープンを来年3月とすると発表した。耐震補強や修理などの工事が今年3月に終わって、現在、館内展示や利用方法などを検討している。また、この機会に歴史あるこの建物や市内唯一の風致地区になっている四郷地区を知ってもらおうと、ウォーキングイベントを10月に開催する。参加者募集を9月1日から始める。【耐震補強などが終わり、来年3月のリニューアルオープンが決まった旧四郷村役場=四日市市西日野町】

 森智広市長が8月30日の定例会見で発表した。旧四郷村役場は1921(大正10)年、後の東洋紡となる三重紡績を創業し、現在の県立四日市商業高校につながる私立四日市商業高校の創立にも貢献するなど、地域の経済界を代表した10世伊藤伝七氏の寄付で建設されたという。

 近年は資料館として、歴史民俗資料などを展示していたが、2021年10月から今年3月まで、耐震補強、修理の工事をしてきた。展示のための造作など、関連工事を含めた複数年の予算額は4億円近くになるという。この工事により、2階も利用できるようになる。

 ウォーキングイベントは10月21日開催で、四郷地区の風景や文化財に触れながら散策する。「健脚コース」の5キロと「のんびりコース」の3キロから選ぶことができる。

 健脚コースは西日野駅~旧四郷村役場~渋沢栄一に関係する石碑~神楽酒造(まちかど博物館)~吉田神社(絵馬)をめぐり、のんびりコースは西日野駅~東日野公民館(神明神社獅子舞)~顕正寺(山門)~日野神社(大念仏の太鼓、鉦)~小左衛門像・渋沢栄一に関係する石碑~旧四郷村役場を経て、いずれも料理店「懐石 白梅」でゴールする。

 コースにある渋沢栄一に関係する石碑は、10世伊藤伝七の功績を称えた石碑で、文章を渋沢栄一が書いたという。また、それぞれのコースは、あすなろう鉄道の四日市駅集合と西日野駅集合があるなど、全部で5つのコースから選択できるようになっている。「懐石 白梅」ではウォーキング特別メニューの昼食(税込み1500円)を準備し、希望者はウォーキング後の食事も楽しめる。ウォーキングそのものは参加無料。

 申し込みは9月1日午前8時30分から10月6日まで(応募者多数の場合は抽選)。「四日市の文化財」のホームページから入ると申し込みフォームがある。往復はがきやEメールでの申し込みもできる。

 

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