国内最古級の貨車、ただいま復元中、手作業で一歩一歩、貨物鉄道博物館

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 9月15日に開館20周年を迎える貨物鉄道博物館(三重県いなべ市大安町)は9月3日が開館日(毎月第一日曜日)で、県外からを含む多くの鉄道ファンでにぎわった。開館20周年の記念事業として同館が取り組んでいるのが国内最古級の貨車「旧関西鉄道鉄製有蓋貨車」の復元。この日、関東、関西からやってきた博物館にかかわる鉄道ファンらが作業着に身を包み、塗装の塗り替えに打ち込んだ。【黒い塗装で復活しつつある国内最古級の貨車=いなべ市大安町】

 貨車は、当時の図面を参考に、床下を復元し、台車を補修、塗装する。地元の四日市で123年前に製造された貨車だという。多くの費用が必要で、博物館はこの春、クラウドファンディングで支援を求め、300万円の目標を上回る協力が得られた。

 作業台に乗せられた貨車は乾燥したさび止め塗料で全体が茶色っぽい姿になっていた。7月ごろに始めた作業だといい、この日は4~5人で、その上に黒い塗料を塗り、少しずつ、貨車らしい姿になっていった。

 床下の部分など、ところどころ金属がさびて穴が開いているところもあり、板金作業で修復していく必要がある。作業の人手なども考えると、11月の開館日(11月5日)に計画している周年記念日には完成できないかも知れないが、その分、粘り強い作業が必要な復元作業の進行中の姿を見てもらえそうだ。(貨車の床下では、鉄がさびて穴が開いたところも。今後、こうしたところも修復していく)

 貨物鉄道博物館は三岐鉄道三岐線丹生川駅に隣接し、屋外では実際の貨物車両などが展示され、屋内では鉄道模型や貨物鉄道関係の資料などが展示されている。