四日市市で職員向け「認知症カフェ」開く、「回想法」を使った会話も体験

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 四日市市の職員を対象にした「認知症カフェ」が10月1日、市総合会館で開かれた。自治体職員を対象にした認知症カフェは、ありそうで、実は全国的にも珍しいという。約20人が参加し、回想法による会話も体験した。【回想法を使っての会話を体験する参加者たち=四日市市諏訪町】

 四日市市は2022年に「四日市市認知症フレンドリー宣言」をして、認知症になっても暮らしやすいまちづくりをめざしている。市内ではすでに20近い認知症カフェが開かれているといい、認知症の人と医療関係者がつながったりする出会いも実現させている。

 ふつうの会社と同様、市の職員でも家族や知人に認知症の人がいて不思議はないが、案外、参加をためらったりしている人も多いとみられ、認知症カフェに目を向けてもらう意味も込め、市の高齢福祉課が市全体の職員やその家族を対象に呼びかけた。

 参加者は二つのテーブルに分かれ、「回想法」による会話を体験した。だれもが関心をもてるテーマで会話を試みることで、人との交流を避けていた認知症の人も会話に入ることができたとの結果も出ている手法だという。この日のテーマは「給食」。ポケットマネーで用意した飲み物とお菓子もテーブルに並び、世代によって牛乳やパンがどう違ったなどと会話がふくらんだ。

 少し前までは高齢者の回想は認知症の始まりと見られていた。しかし、今では、自分の人生を振り返り、整理して、その意味を考えるようとする自然で普遍的な心理過程と考えられているという。