新図書館、「そもそも近鉄駅前でいいのか」の議論まで噴出、四日市市議会

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 三重県の四日市市議会は10月2日、本会議で一般質問を終えた後に全員協議会を開き、図書館に関する質疑をした。今議会では、新図書館の設置後も現図書館を継続使用したいとの考えを市側が断念する説明をしたが、「議会から疑問が出たら、すぐに考えが変わるやり方もどうなのか」といった意見や、時に、客引き行為も目立つ夜の繁華街が目の前にあるなど、「近鉄駅前に新図書館を設置するのが本当にいいのか」と疑問視する声も出た。市議会は、あらためて新図書館に対する議論をどのような形で進めるか、各派代表者会議の場で検討することになった。一般質問はフューチャー四日市の2人が質問に立った。【一般質問は最終日の四日市市議会=四日市市諏訪町】

 全員協議会は、市側の方針転換表明を受けて開かれた。現図書館を除却し、土地も売却するとの説明だが、「あの土地の下は火葬場だったように聞くが、そもそも売れる土地なのか。確認してほしい」などの意見も出た。「新図書館に莫大な費用をかける一方で、現図書館に子育て世代の利用を考えた施設を継続させる案は楽しみでもあった。改築に要する2億数千万円は、それほど大きいものなのか」との意見も。

 それ以上に疑問が相次いだのが、新図書館が近鉄グループが建てる新ビルの中で3~8階を定期借地権によって間借りし、70年間の家賃を払い続ける方法だ。その金額は明らかになっておらず、初期の建設費用だけでも75億円を上回る見通しが市側から説明されたため、「幾らかかってもいいものではない」との声も出た。

 「ずっと金を払い続けて、70年後に取り壊せば、最後には何も残らない。公共施設にふさわしいやり方か」「デジタル化で紙の本はなくなっていく時代。新図書館の将来について、もっと考えてからでも遅くないのでは」などの声も出た。「そもそも、民間開発のビルで公共施設が定期借地で入った前例があるのか」「近鉄から土地を買い取る交渉をしたが失敗したのではないか。定期借地では駄目だと撤退すべきだったのではないか」などの意見も出た。

 新図書館が近隣の貸し会議室やワーキングスペースなどの営業にどう影響を与えるのか、図書館利用者に駐車場の利用補助をした場合のコストがどうなるのか、客引きや風俗営業の状況など、委員会などで調査しておくべきだとの意見もあった。

 一般質問では、フューチャー四日市の竹野兼主さんが、教員確保が難しく、今年度、四日市市が小学1年と中学1年の30人学級を実現できなくなったことに触れ、「次年度は続けるべきだと考える」と努力を求めた。市側は「大切にはしていきたいが、教員確保が容易でなく、来年度も難しい」と答弁した。

 村山繁生さんは、介護の人材不足を解消するための処遇改善を求めた。市側は国の制度などを説明しつつも、対象者が非常に多いことなどから、市独自には難しいと答えた。村山さんは保育園でのおむつのサブスク(一定料金で自由に使える)について、実証実験などで検討してほしいと求めた。