200年前の国替えの先祖の縁、萬古焼の自作を桑名の神社に奉納、四日市の三代目清水醉月さん

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【妻きし代さん(左)と自作「萬古鶴文壺」の奉納の準備をする三代目清水醉月さん=桑名市吉之丸】

 三重県四日市市南いかるが町、萬古焼「醉月陶苑」の三代目清水醉月さん(79)が10月18日、桑名市の鎮国守国神社に自身の作品「萬古鶴文壺」を奉納した。200年前のこの日、祖先の清水茂兵衛さんが、白河藩(福島県)から桑名藩に国替えした殿様の松平定永に従い、三重にやってきて、今の清水さんにつながったという。自らのルーツ探しで出会いがあり、貴重な資料などを教えてくれた神社に感謝の気持ちを込めての奉納になった。

 この日、清水さんは妻きし代さんらと桑名城址にある神社を訪れ、作品を神前に供えた。壺の表面で無数の鶴が舞う、清水さんが手掛けてきたオリジナルデザインの作品だ。嵯峨井和風宮司が見守り、奉納式をした。

神前に作品を供える三代目清水醉月さん。左は嵯峨井和風宮司

 清水さんは2年ほど前、きし代さんと東北に用事で出かけた際に福島県を訪ね、先祖の情報を探して最寄りの墓などを探し歩いた。その時に出会った地元の学芸員から、桑名の嵯峨井宮司が詳しいと教えられた。

 清水さんが桑名で嵯峨井さんを訪ねると、松平家に仕えた人の消息などが書かれた「分限帳」の存在などを教えてもらえ、そこに清水茂兵衛さんの記録があり、1823年10月18日に桑名藩に移ったことなどが分かったという。神社には宝物館があり、ここには歴代の萬古焼作家の作品も収められていると知り、清水さんも自作の奉納を申し出たという。

 嵯峨井宮司は奉納式のあと、「200年は大きな区切りの年。いただいた奉納の作品をしっかりと伝えていこうと思います」。清水さんは「何か運命的なものを感じ、今は晴れ晴れとした気持ちです。萬古焼が永遠に続き、繁栄していくようにとの思いも込めて奉納させてもらいました」と話していた。