朝明川の河川管理の改善、ホタルが住む自然の保全など柱、四日市・保々地区まちづくり構想まとまる

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【構想の要点を説明する出口文彦会長(右側、右から2人目)ら。左側は市側=四日市市諏訪町】

 三重県四日市市の北西部にある保々地区の「まちづくり構想」ができあがり、10月26日、地区の構想策定委員会の代表者らが森智広市長に提案した。「豊かな自然に包まれ 未来の暮らしを創出する 四日市の西玄関口 保々」を将来像として掲げた。市は、提案を受け、都市計画マスタープランに、おおむね10年間の地域づくりの計画として地域の土地利用や整備の計画を盛り込んでいく。

 提案に訪れたのは、保々地区まちづくり構想策定委員会の出口文彦会長、坂口篤副会長、山川信好副会長、齋藤民男委員ら。市側は都市整備部長ら関係部署の責任者も対応、森市長が「思いが詰まった構想を頂いた。しっかり議論させていただく」と話した。

 出口会長らが、構想の要点を説明した。構想の3本柱に①豊かな自然の恵みを活かすまちづくり②安心して暮らせるまちづくり③心も体も健康で暮らせるまちづくり、を挙げ、それぞれについて考え方を述べた。

 「豊かな自然の恵み」では、北勢中央公園を中心にした自然、歴史、文化資源の保全と活用などを挙げた。ホタルが生息する自然環境の保全はその中の大きな柱だ。朝明川の河川管理では、最近の雨での増水などが語られ、「環境保全というより危機管理の様相になっている」と、管理者の県への働きかけを強く求めた。また、農地の維持や保全については、田んぼなどに生態系保全や洪水防止への調節機能があり、農業後継者を育てるための取り組みを求めた。

 「安心な暮らし」では、朝明川の管理のほか、地区内に狭い道路が多いとして、歩行者や車いすでの通行でも安心できるような整備を求めた。地域拠点の整備では、保々地区市民センター周辺の整備として自治、福祉、教育などの拠点機能を充実させることに加え、内科系などの医療機関の進出も期待しているとした。

 「心も身体も健康で暮らせる」では、北勢中央公園を健康拠点にしてウォーキングやイベントなどに活用することや、お助けネットワークの充実など生活支援活動を充実させることも挙げられた。

 四日市市では2002年度から市民参加による「地区まちづくり構想」の策定を促進しており、市内24地区のうち、保々地区で21番目の構想がまとまったことになるという。保々地区では2020年、地区でまちづくりにかかわってきた18人が構想策定委員会を結成し、足掛け4年、23回の会議を重ねて取りまとめたという。