オレンジリボンツリーや啓発動画など、四日市市が11月の児童虐待防止への取り組みを発表

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【児童虐待の通告・相談の対応ダイヤル「189」を紹介する森智広市長=四日市市諏訪町】

 三重県四日市市の森智広市長は10月26日の定例記者会見で、11月の「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」に合わせて市が行う取り組みを発表した。児童虐待に関する相談対応件数は昨年度、過去最高の765件を記録しており、虐待の種別では精神的な負担となる「心理的虐待」が増加傾向にあるという。

 市によると、虐待相談対応件数は、2018年度471件で、2019年度506件、2020年度710件、2021年度655件と推移し、2022年度は765件で過去最多となったという。件数は相談、通告などを含むため、件数が増えたことは、虐待を見逃さないでという啓発活動が実を結んでいるとも考えられ、悪いことばかりではないが、いずれにせよ、潜在的な掘り起こしも含め、虐待が広がっていることをうかがわせる状態だ。

 虐待を種別で見ると、身体的虐待は2018年度124件(全体の26.3%)に対し2022年度231件(同30.2%)。同じ年度での比較でみると、性的虐待は6件(1.3%)に対し6件(0.8%)、心理的虐待が185件(39.3%)から345件(45.1%)、ネグレクトが156件(33.1%)から183件(24.0%)になっており、森市長は心理的虐待の占める割合の大きさを指摘した。

 心理的虐待は、精神的な負担を子どもたちに強いるもので、本人の人格を貶めるような発言や、兄弟の一方だけを差別するような扱い、夫婦喧嘩を子どもの目の前ですることも含まれるという。

 市では、諏訪町の市総合会館1階にオレンジリボンツリーを設置し、市民がメッセージに願いを書いて飾ることができる取り組みをする。体罰禁止を周知する啓発動画を近鉄四日市駅ふれあいモールアーバンビジョン、イオンモール四日市北、四日市市のホームページなどで公開する。

 児童虐待の通告、相談ができる児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」を知ってもらうため、番号を書いたシートを郵便車両100台、市生活環境公社の資源ごみ回収車96台、公用車56台に貼って広報活動する。サテン生地を使った職員の手作りオレンジリボンを500余個つくっており、啓発で職員が身に付けたり、オレンジリボンツリーのところで一般市民が手に取れるようにする計画という。