三重県四日市でしか買えない酒、「まるごと四日市の酒『MARU YON』」が、今年も12月2日に発売される。現在、酒蔵で仕込みが大詰めを迎えており、よい仕上がりが見えてきたという。米農家、酒蔵、酒店、そして、この酒を味わう人の四つの丸を重ねた波紋のラベルが目印。日本酒で四日市を盛り上げたいという酒店主たちの気持ちから生まれた酒でもある。
酒店や醸造会社の代表が11月21日、記者会見して発表した。今年で8年目の販売になる。昨年に続き醸造を担当したのは丸彦酒造(川島町)。社長の藤原大地さんは「今年は暑さ続きで心配しましたが、いい感じに仕上がっています。どんな料理とも相性がよく、香り、味など、日本酒が苦手だった人にも気に入ってもらえると思います」と話した。
四日市市の五つの酒店が、中心市街地で県内の酒造会社を巻き込んだイベント「三重の大酒蔵市」を2015年に始めた。酒店同士はライバルでもあるが、みんなで郷土を盛り上げたいとの思いで、「すべてを四日市で完結できる酒ができないか」と話しているうちに、最大の課題だった米づくりを四日市市の齋藤農場が引き受けてくれて、2016年に念願の酒が誕生した。醸造は最初の2年が桜地区の伊藤酒造、次の4年を楠地区の宮崎本店が担当し、昨年、丸彦酒造にバトンが渡された。
今年の販売は、720mL入り1760円が1200本、1.8L入り3520円が約700本となる見込み。予約・販売は義侠屋(鵜の森)、旨喜酒専門店KOBA(生桑町)、ソムリエひろしの店蔵屋(下之宮町)、リカーパークまるち蔵(西新地)、福田屋酒店(東富田町)へ。「四日市でしか買えない酒」のため、通販もしないが、市外、県外の人でも四日市市を訪ねてくれれば買うことができる。また、今年初めて、四日市市が購入者という前提で、「ふるさと納税」の返礼品にも登録された。この酒を仕入れている市内の飲食店で味わうことも可能だという。