変わる中央通り 戦後最大の改造 2年弱で姿は目の前に

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【バスタの建設予定地は緑地帯もすっかりなくなった=四日市市の近鉄四日市駅東】

 「戦後最大の改造」と呼ぶ人もいる四日市市の中央通り再編は、近鉄四日市駅東の風景が目に見えて変化してきた。核になる新バスターミナル「バスタ」ができる範囲はクスノキなどの緑地帯がすっかり平地に。中央通りの道路はJR四日市駅まで約1・6キロで、現在の片側3車線を2車線にし、東行き、西行き、すべてを緑地帯の南側(写真では右)へ集約する。新しい市のシンボルになる巨大な円形デッキと合わせ、2025年夏には新しい玄関口の姿が浮かび上がってくる予定だ。

中央通り再編の完成予想図(四日市市提供)

 

 直径40メートルの回廊を地上6メートルで往来できる円形デッキは、すでに本体建設に入る前の準備工事が始まっている。11~12月の議会で本体の屋根などを除く土木工事の契約(約8億8000万円)が決まれば、年明けにはデッキの工事ヤードを迂回させる「道路のふりかえ」が始まり、新年度に入るとデッキの脚の建設などが始まる予定で、来年夏にはそれらの構造物が目に入ってくる。完成は2025年の予定だ。
 
バスタ整備で乗り場を集約

 バスタは、現在、近鉄駅の東、東南、西と3カ所に分かれているバス乗り場を集約してひとつにする。工事は国が主体となって進める。乗り換えが便利になり、市外から訪れる人にも親切な乗り場になる。2027年の中央通りの完成に合わせて整備が進むと見込まれている。
 バスタ整備が進むことで、北陸方面などを結ぶ中距離の新バス路線が参入することも期待されている。一方、新しいバスターミナルができても、市内の路線バスが急に増えるとは考えにくく、高齢化が進む中、市中心部と市周辺部を結ぶ市民の足を確保する方法は、引き続き、別に考えていく必要がある。
 

 中央通り再編に投入される費用は約200億円。近鉄四日市駅東の新図書館が入るビル、大学構想があるJR四日市駅周辺整備の費用はここに含まれていない。

渋滞心配の声も 2車線への集約

 中央通りの車道を南側に集約する工事も、円形デッキが完成した後には整備され、形が見えてくる。北側の道路は歩くことを楽しむ緑のある新しい空間に生まれ変わる。
 車道の集約には、「交通渋滞が起きるのでは」という声がタクシー運転手からも聞かれている。先行して工事に入り、年度内に完成する近鉄駅西では、西行きも東行きも工事柵がいたるところに並び、日によって交差点では右折レーンと直進1車線しか使えず、戸惑っている車もある。心配も無理はない。
 

 市は、交通量調査を行い、2車線にした場合のシミュレーションをしているという。中央通りは名古屋の100メートル道路のように、防災機能を発揮する道路として、広くつくられた道路だ。現在の片側3車線でなくても、渋滞は起きないとの判断ができたのだという。


工事柵が並び、交差点では直進が1車線になっていることもある近鉄駅の西側

 

 加えて、中心部への通過交通の流入を抑制するため、ほかの道路へ迂回させ、中央通りの通行量を増やさない計画も進めている。市道の三重橋~垂坂線などが整備の対象になっている。

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