プール整備の考え方で議論、「50m競技用必要」「まず今の施設」、四日市市議会の予算常任委員会全体会

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【プール整備の考え方をめぐり、予算常任委員会で議論があった四日市市議会】

 三重県の四日市市議会は12月19日、予算常任委員会で、同市昌栄町の温水プール施設の建て替え計画について、委員と市側の考え方がぶつかる場面があった。競技用として使える50mプールの建設を優先したい水泳協会の陳情もあり、これを支持する立場の委員と、まず、今あるプールの整備を進めたいとする市側の意見が平行線をたどった。

 きっかけは、10億円を想定した修繕費が、施設全体の建て替えに発展して26億円余にふくらみ、現在、市内にない50m競技用屋内プールの復活を急ぎたい水泳協会から、温水プールの建て替えをやめるよう陳情があったことだとされる。今議会では、2024年度から2026年度にかけて温水プールの改築工事を行うため、債務負担行為26億6800万円が審議されている。

 委員からは、「国体に向けた中央緑地整備で50mプールを失っており、水泳協会からこのような異論が出るのは重い。各学校でのプール維持が難しくなっている学校教育の水泳指導でも、協会の力を借りる必要はあり、温水プールの整備を急がず、市全体で今後、どのようなプール施設の整備が必要なのか、両者で話をすべきではないか」と意見があった。

 市側は、協会との関係は重視しつつも、「温水プールの整備は協会とも相談して進めてきたので、陳情は驚きだった。50mの競技用プールをつくる政策決定はされておらず、これからの議論になるべきもので、その結論を待っていては、今の温水プール施設の修繕などは手遅れになる」などと応じた。

 委員からは、「協会は、当然、あとから50mプールを造ってもらえると考えただろうし、鈴鹿市の県営施設もいつまでも使えるものではない。次の三重国体のこともある。県内で最も人口の多い四日市に競技ができる50mプールがないことを考えてほしい」との意見もあり、委員会は委員長報告の中で両者の話し合いなどを強く求めることにした。

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